【2026年2月26日】世界半導体・電子部品市場レポート:受動部品・コネクタの「K字型」需給とAIインフレ

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目次

1. エグゼクティブ・サマリー:受動部品市場の「K字型」構造の鮮明化

2026年2月第4週、受動部品およびコネクタ市場は、かつてない「二極化(K字型)」の様相を呈しています。

スマートフォンや民生機器向けの汎用品が比較的安定した推移を見せる一方で、AIサーバー、EV(800Vシステム)、5Gインフラ向けの特定ハイエンド部品は、歴史的な価格高騰と1年を超えるリードタイム延伸の真っ只中にあります。

今週の最重要ニュースは、TE Connectivityによる最大12%の値上げが流通価格に完全反映されたこと、およびYageo(国巨)を筆頭とした抵抗器メーカーによる2月一斉値上げの実態です。

原材料費(銀、パラジウム、銅)の構造的な高騰が、安価な汎用部品の価格底上げを強要しています。


2. コネクタ市場:TE Connectivityの値上げ浸透と次世代規格への移行

TE Connectivity:2026年1月改定の完全実施と市場への波及

世界最大手のTE Connectivityが2026年1月5日付で実施した価格改定は、現在、全世界の主要代理店(Mouser, DigiKey, Future Electronics等)の販売価格に完全に反映されました。

  • 改定幅: 製品ポートフォリオ全体で 5%〜12%
  • 対象: 車載用、産業用、高速通信用、センサー製品。
  • 背景: 銅(LME価格)がAIインフラ需要により高止まりしていること、および銀めっき等の貴金属コストの上昇。
  • 影響: 同社に追随する形で、AmphenolやMolexも特定セグメント(特に高精度高速コネクタ)での価格調整を示唆しており、コネクタ全体のコスト水準が一段階引き上げられました。

高速インターコネクト:224Gbps PAM-4世代の争奪戦

AIサーバー内部のGPU間接続において、MolexやHiroseが提供する224Gbps PAM-4対応の高速バックプレーンコネクタの需要が爆発しています。

  • 現状: AIアクセラレータボード向けの需要がメーカーの生産能力を圧迫。
  • リードタイム: 標準的なコネクタが12〜16週であるのに対し、AI特化型モデルは 26週〜30週 に延伸しています。

【一次ソース】


3. MLCC(積層セラミックコンデンサ):AIとEVの二重苦

市場の「Scissors Spread(ハサミ状価格乖離)」

MLCC市場では、汎用品と高信頼性品の需給バランスが完全に乖離しています。

  • 汎用品: リードタイムは 8〜12週。在庫水準は適正で、価格は横ばい。
  • ハイエンド品(AIサーバー/車載用): リードタイムは 20週〜30週。特に1μF以上の大容量、高耐圧品(800V対応等)でアロケーション(割当制)が継続。

村田製作所・TDK:AIサーバー成長予測の上方修正

村田製作所は、AIサーバー向けMLCC需要が2030年にかけて 30%のCAGR(年平均成長率) で成長するとの予測を出し、ハイエンドラインのキャパシティ拡張を優先しています。

  • 価格動向: 公式な全製品値上げ通知は出ていないものの、スポット市場(二次流通)では特定型番の価格が 20%以上急騰 しています。
  • 車載用MLCC: EV向けの需要が根強く、Samsung Electro-Mechanics(SEMCO)やTDKの車載グレードは納期が半年(26週)を超える状況が常態化しています。

【一次ソース】


4. 抵抗器市場:Yageoによる5年ぶりの「一斉値上げ」

Yageo(国巨)グループの戦略的値上げ

世界最大のチップ抵抗器メーカーであるYageoは、2026年1月19日、厚膜チップ抵抗器(Thick Film Resistor)の価格調整を通知しました。

  • 実施時期: 2026年2月より順次。
  • 改定幅: 15%〜20%
  • 波及: Yageoの動きを受け、Walsin(華新科)やTa-I Technology(大毅科技)も同様の価格引き上げを開始しました。

なぜ今、抵抗器が上がるのか?

  1. 原材料費: 電極に使用される銀(Ag)およびパラジウム(Pd)の価格高騰。
  2. AIサーバー需要: AIサーバー1台あたりに使用される抵抗器の数は、従来のサーバーの 1.5〜2倍 に達しており、ハイエンド品の需給が逼迫。
  3. 地政学: 中国系メーカーの安価な製品に対し、セキュリティ上の観点から米国系企業が台湾メーカーへのシフトを強めており、Yageo等への注文集中が価格決定権を強めています。

【一次ソース】


5. タンタルポリマーコンデンサ:パナソニック POSCAPの衝撃

パナソニック:15〜30%の価格引き上げ

AIサーバーの電源安定化に不可欠なタンタルポリマーコンデンサ(POSCAP)において、パナソニックが2026年2月1日付で実施した値上げが市場を揺るがしています。

  • 対象: 約40の特定モデル。
  • 現状: サーバー需要の爆発により、KEMETやパナソニックといった主要サプライヤーのリードタイムは 30週以上 に達しています。

【一次ソース】


6. EOL(生産終了)およびPCN(変更通知):今週の重要アップデート

メーカー部品・カテゴリ内容重要期限 / ソース
Central SemiツェナーダイオードPDN01283: SMA/SMBパッケージ品を全廃。2026年2月2日 / Source
Hirose ElectricFPC用コネクタ高速信号対応の新シリーズ投入に伴う旧製品の集約。Hirose News
Kyocera水晶振動子・発振器2026年中に2度の価格改定を予告。Source
Bourns精密ポテンショメータ部材調達難による特定シリーズの供給停止。2026年2月 / Bourns PCN

7. 調達・設計部門への「木曜日の提言」

AIO要約ポイント:今すぐ行うべき3つの対策

  1. 「銀・銅」依存部品の早期確保: YageoやTEの値上げは原材料費に基づいたものです。今後数ヶ月で他メーカーも追随する可能性が高いため、2026年Q2(4-6月)分までのPO(発注書)を即座に投入してください。
  2. ハイエンドMLCCのBOM代替調査: AI/車載グレードの納期26週超を受け、村田製作所だけでなくSamsungやTDK、また導電性高分子アルミ電解コンデンサへの置き換え検討を並行して進めてください。
  3. SMA/SMBパッケージのフットプリント変更: Central Semi等のEOL通知に見られる通り、古い表面実装パッケージは急速に市場から排除されています。次期基板設計では、より小型で熱効率の良いDFNパッケージへの移行を優先してください。

【免責事項】

本レポートは2026年2月26日時点の公開情報を基に作成されています。受動部品市場はAI特需と貴金属市場の影響を直接的に受けるため、最終的な判断はメーカー公式通知および一次代理店からの回答に基づいて行ってください。

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