
大分県で基板実装やEMSの委託先を探しているなら、この記事が最後の調べ物になるはずです。
県内に実際の製造拠点を持つ全7社の住所・電話番号・公式URL・得意分野を、エリア別にすべて一覧化しました。
「大分には基板実装の工場が少ないのではないか」と感じている方もいるかもしれません。
実際はその逆で、大分県はキヤノン・ソニー・旭化成・東芝など国内外の超大手メーカーの製造拠点が集積するシリコンアイランド九州の一角として、半導体・電子機器製造の高度な技術が蓄積されてきた土地です。
その歴史の中で育ってきた地場の実装・EMS企業は、バーンイン基板・EMC試験・半導体後工程・精密装置実装といった高難度領域で全国トップクラスの専門性を持つ企業が揃っています。
この記事を読み終えたとき、候補会社を3社以内に絞り込んで、すぐに問い合わせに進める状態になることを目指しています。
大分県の基板実装・EMS市場の特徴|「シリコンアイランド九州」を支える技術集積地
大分県の電子製造産業の歴史は、1970年代の大分市・国東地区への大手半導体メーカーの進出にさかのぼります。
ソニーセミコンダクタ、旭化成エレクトロニクス、東芝デバイス&ストレージなど、国内屈指の半導体企業が大分県内に製造拠点を構えており、「シリコンアイランド九州」を支える重要な製造基地として機能してきました。
こうした大手企業の存在が、地場の製造企業に対して高い技術水準を要求し続けてきた結果、大分県内には「バーンイン基板」「半導体後工程受託」「EMC試験」「精密装置組み込み実装」といった、一般の実装工場では対応できない高難度領域に特化した企業が多数育ちました。
発注者の立場からいうと、大分の工場に依頼する最大のメリットは「半導体産業との深い関わりから生まれた実装精度と品質管理水準」にあります。
一般的な民生品の実装を行う工場と、ソニーや旭化成の一次取引先として長年実装を請け負ってきた工場では、品質管理の水準が根本的に異なります。
後者の経験を持つ工場は、通常の産業機器・医療機器・車載機器の実装においても、その高い品質水準を発揮します。
また、大分空港周辺(国東半島・杵築市・日出町)エリアには、航空機でのアクセスも良好な立地に実力ある企業が集積しており、関東・中部からの発注者が現地を訪問する際にもアクセスしやすいエリアです。
では、エリア別に全7社を詳しく見ていきましょう。
大分市エリアの基板実装・EMS工場|半導体産業を支える高精度実装の拠点
シェルエレクトロニクス株式会社|大分市
1990年設立、従業員30名。
半導体製造装置の設計・製作を主軸としながら、テストボード・バーンインボードの基板設計・製作・実装(DIP/SMD)、BGAリワーク・リボールを行う技術企業です。
大分市内の半導体後工程製造の草分け的存在として、ISO9001認証を取得した品質管理体制を構築しています。
バーンインボードとは、ICチップに高温・高電圧のストレスをかけて初期不良を早期に検出するための特殊な基板です。
この基板は通常の産業機器用基板とは全く異なる耐熱性・耐電流性・信頼性が求められ、一般の実装工場では製造できません。
こうした特殊基板の製造を日常業務として行ってきた工場は、通常の基板実装においても格段に高い信頼性を持って製造できます。
医療・福祉・IoT機器の設計・製作にも展開しており、大分大学医学部附属臨床医工学センターとの連携実績も持つ技術力の高い企業です。
- 住所:〒870-0278 大分県大分市青崎1丁目12番18号
- 電話:097-528-8826
- 公式サイト:https://www.shell-ele.com/
株式会社シェルテクノ|大分市
2022年設立、従業員24名。
シェルエレクトロニクスの技術部門を継承する形で設立された姉妹企業です。
プリント基板設計から製作・DIP/SMD実装・BGAリワーク・リボールを手掛けます。
「手実装による少量バラ部品実装」への対応は、シェルテクノの大きな特徴です。
機械実装では対応困難な特殊部品・異形部品・微細なバラ部品の搭載は、熟練した技術者の手作業によって初めて実現できる領域です。
「1枚から対応してほしい」「機械が受け付けないような特殊な部品が含まれている」という試作・開発初期フェーズの発注者にとって、シェルテクノは最初に相談すべき候補として挙がります。
大分弁で「しらしんけん(一生懸命)」を経営理念に掲げるこの会社の姿勢は、小規模な発注に対しても誠実に対応してきた企業文化を反映しています。
N2(窒素)リフロー装置を保有しており、酸化しやすい部品の高品質なはんだ付けが可能です。
- 住所:〒870-0278 大分県大分市青崎1丁目12番18号
- 電話:097-528-8826
- 公式サイト:https://www.shell-techno.com/
エスティケイテクノロジー株式会社(STK)|大分市
バーンイン装置・バーンインボード・ボードハンドラーを日本で唯一すべて自社開発・設計・製造するバーンイン検査のトータルメーカーです。
10期連続増収増益(2023年時点)を達成し、半導体産業の拡大とともに急成長中の大分市内屈指の優良企業です。
バーンイン工程とは半導体製造の重要な後工程であり、ICチップを高温・高電圧環境に一定時間さらすことで初期不良品を市場に出す前にふるい落とす工程です。
この工程に必要な装置群を一社で全て開発・製造できる企業は、日本国内でSTKだけとされています。
バーンインボード(検査用基板)の製造においては、通常の産業機器基板とは全く異なる高い精度と耐久性が求められ、STKはその専門知識に裏打ちされた実装技術を持っています。
近年は最先端半導体の製造を目指すラピダス(北海道千歳)への搬送ロボット受注が報道されるなど、半導体産業の最先端領域への展開も加速しています。
- 住所:〒870-0108 大分県大分市大字三佐2468番地10
- 電話:097-527-2161
- 公式サイト:https://www.stk-net.co.jp/
REALIZE株式会社(旧:株式会社石井工作研究所)|大分市
1979年設立、従業員274名。
2023年1月に石井工作研究所から商号変更し、FIG株式会社グループ企業として新たな成長段階に入った企業です。
半導体製造装置・自動車関連部品組立製造装置・精密金型の設計・製造・販売を主力とし、装置に組み込む基板の設計・実装にも対応しています。
主要取引先の顔ぶれが、この会社の実力を明確に示しています。
旭化成・アムコー・東芝・キヤノン・京セラ・ソニー・デンソー・トヨタ・パナソニック・日立・ルネサスエレクトロニクスなど、日本を代表する製造業の大手・超大手企業が並んでいます。
こうした企業群の一次取引先として長年認定されてきた事実は、品質・納期・技術力の全てにおいて業界の最高水準を維持し続けてきた証拠です。
2024年にはラピダス(日本最先端の次世代半導体製造会社)の試作ラインへの搬送ロボット受注という快挙を達成しており、REALIZEの技術力が最先端領域でも通用することを示しています。
大分市内に本社・曲工場、杵築市に杵築工場の複数拠点を持つ大分県内屈指の総合製造企業です。
- 住所(本社):〒870-0823 大分県大分市東大道2丁目5番地60号
- 住所(曲工場):〒870-0946 大分県大分市大字曲字川成937番地1号
- 住所(杵築工場):〒873-0013 大分県杵築市大字日野字野田2264番地
- 電話:097-544-1001
- 公式サイト:https://www.realize-fig.jp/
由布市エリアの基板実装・EMS工場
株式会社デンケン|由布市(本社)・杵築市(エレクトロニクス事業部 守江工場)
1976年設立、従業員502名。
FA装置関連・半導体関連・医療機器・駐輪場総合管理システムなど6つの異なる事業を展開する総合エレクトロニクスメーカーです。
エレクトロニクス事業部では半導体デバイスの組立・測定・検査・解析・信頼性試験を一貫対応しており、EMC試験は3,000件以上の試験実績を誇ります。
EMC試験(電磁適合性試験)とは、電子機器から放射される電磁波が他の機器に影響を与えないか、また外部からの電磁波によって自機が誤動作しないかを検証する試験です。
この試験はEU向け製品のCEマーキング・日本のVCCI規格・米国のFCC認証など、多くの市場での製品販売に必須の要件です。
デンケンがISO/IEC17025(試験所・校正機関の能力に関する国際規格)の認定を取得していることは、EMC試験結果の信頼性が国際的な第三者機関によって認証されていることを意味します。
ISO/IEC17025については日本適合性認定協会(JAB)公式サイトでも詳細を確認できます。
単なる実装工場を超えて「基板を実装した後に何が必要か」という上流・下流の工程まで対応できる体制は、製品を市場に出すまでの全工程を一社で完結させたい発注者にとって大きな価値があります。
ソニー・三井ハイテック・旭化成エレクトロニクス・東京エレクトロンデバイスなどとの取引実績が豊富です。
- 住所(本社):〒879-5501 大分県由布市挾間町鬼崎688番地2
- 住所(エレクトロニクス事業部 守江工場):〒873-0033 大分県杵築市大字守江1300番地 TEL: 0978-63-8856
- 電話(本社代表):097-583-5535
- 公式サイト:https://www.dkn.co.jp/
国東・杵築・日出エリアの基板実装・EMS工場|大分空港周辺の精密工業地帯
大分空港に近い国東半島・杵築市・日出町エリアは、ソニー・大分キヤノンなどの大手工場が集積する大分県随一の精密電子工業地帯です。
このエリアの工場は、大手メーカーの一次・二次取引先として長年稼働してきたことで、高品質な実装技術と厳格な品質管理体制を身につけています。
株式会社ホックス|速見郡日出町
コンピュータ・医療機器・産業機器等に使われる制御基板実装に特化した提案型EMS企業です。
設計から製造までワンストップで受託し、JIT(ジャスト・イン・タイム)生産方式による低コスト化を実現しています。
TOTO・東京エレクトロン・フクダ電子など、国内屈指の大手メーカーとの取引実績は、品質・納期・コストの全てにおいて一定以上の水準を継続的に維持してきた証拠です。
特筆すべきは、部品点数8,000個を超える大判実装基板への対応能力です。
基板に搭載される部品点数が増えるほど、実装時の管理項目が飛躍的に増加し、品質を安定させることが難しくなります。
8,000点という部品点数を両面に搭載した基板を安定して量産できる能力は、設備投資・プロセス管理・熟練した生産技術者の三拍子が揃っていなければ実現できません。
ホックスは独自の基幹システムで注文から在庫管理を一元化しており、短納期・低コストを同時に実現するサプライチェーン管理の仕組みを内製化しています。
回路・ソフトウェア・基板・機構設計にも対応するODM(受託設計・製造)企業でもあるため、「設計図がまだ完成していない」「概念設計の段階から相談したい」というケースでも対応できます。
医療機器向けの心電計基板・スーパーコンピュータ向け基板・防犯警備監視システム向け基板など、高い信頼性が求められる分野での製造実績が豊富です。
- 住所:〒879-1504 大分県速見郡日出町大字大神9748番地6
- 電話:0977-72-6661
- 公式サイト:https://hoks.co.jp/
株式会社ケイティーエス(KTS)|杵築市・日出町
1981年設立、従業員136名。
FIG株式会社グループ企業として、全国の宿泊施設向けマルチメディアシステム(SiTV)の開発・販売と、各種プリント配線板の設計から製造・検査・組立を一貫して行うEdMS(Electronics Development Design & Manufacturing Service)事業を展開しています。
ケイティーエスが採用する「EdMS」という概念は、従来の「EMS(製造受託)」に「Design(設計)」を加えたものです。
従来のEMSが「顧客から図面を受け取って製造する」という受動的な立場であったのに対して、EdMSは「回路設計・ソフトウェア開発・アートワーク設計から部品調達・製造・検査まで」を能動的に提案・実行できる体制を意味します。
「設計段階から製造を見越した提案をしてほしい」「ハードウェアとソフトウェアを分けずに一体で開発してほしい」というニーズに対して、ケイティーエスはそのニーズを満たせる数少ない選択肢の一つです。
ISO9001:2015・ISO14001:2015の両認証を取得しており、品質管理と環境管理の両面で国際的な基準を満たしています。
本社を杵築市山香町に置き、日出工場(速見郡日出町)を製造拠点として持つほか、タイ現地法人(Thai K.T.R Co.,Ltd.)も設立し、アジア市場への展開も進めています。
大手取引実績はモバイルクリエイト(車載型IP無線機「IM-870」の基板製造・組立・梱包)など、グループ企業との連携を活かした受託製造も強みです。
- 住所(本社):〒879-1314 大分県杵築市山香町大字南畑5004番地100
- 住所(日出工場):〒879-1502 大分県速見郡日出町藤原2553-1 TEL: 0977-75-8900
- 電話(本社):0977-44-6100
- 公式サイト:https://kts-web.jp/
大分県の全7社 完全比較表
| 企業名 | 所在市町村 | 電話番号 | 主な強み |
|---|---|---|---|
| シェルエレクトロニクス株式会社 | 大分市 | 097-528-8826 | 半導体関連基板・バーンインボード・BGAリワーク・ISO9001 |
| 株式会社シェルテクノ | 大分市 | 097-528-8826 | 基板設計〜実装・少量バラ部品・BGAリボール・N2リフロー |
| エスティケイテクノロジー㈱(STK) | 大分市 | 097-527-2161 | バーンイン検査トータルメーカー・日本唯一・10期連続増収 |
| REALIZE株式会社 | 大分市・杵築市 | 097-544-1001 | 半導体装置・精密実装・大手メーカー取引実績・ラピダス受注 |
| 株式会社デンケン | 由布市・杵築市 | 097-583-5535 | 総合EMS・半導体後工程・EMC試験・ISO/IEC17025認定 |
| 株式会社ホックス | 速見郡日出町 | 0977-72-6661 | 制御基板特化・大手取引・ODM・JIT生産・8,000点超対応 |
| 株式会社ケイティーエス | 杵築市・日出町 | 0977-44-6100 | EdMS・設計〜実装一貫・ISO9001/14001・タイ拠点 |
あなたの発注条件に合う会社はどれか|大分県の用途別選び方
大分県は県内の基板実装・EMS企業の数が多くない分、一社一社が明確な専門性と独自の強みを持っています。
「どこに頼んでも同じ」という選び方をすると、後で大きな問題になります。
以下の視点で候補を絞り込んでください。
バーンイン基板・半導体検査基板が必要なら
シェルエレクトロニクス・シェルテクノ・エスティケイテクノロジー(STK)の3社が最有力候補です。
この3社はいずれも半導体後工程の検査用基板を長年製造してきた実績を持ち、大分県の半導体産業との深い関わりの中で培われた実装精度を持っています。
バーンイン基板は耐熱性・耐電流性・寸法精度のすべてにおいて通常基板を大きく上回る要件が課せられるため、専門工場以外への依頼は品質リスクが高くなります。
最初から専門工場に依頼することが、品質トラブルを未然に防ぐ唯一の方法です。
EMC試験込みの一貫対応が必要なら
デンケンが最有力候補です。
ISO/IEC17025認定を取得した試験所として、3,000件以上のEMC試験実績を持つデンケンは、大分県内でEMC試験まで対応できる数少ない企業です。
「実装して終わり」ではなく、「実装→EMC試験→規格認証」という製品化プロセス全体を一社で完結させたい場合、デンケンは九州全体でも代替の難しい選択肢です。
EMC関連の国際規格については一般財団法人VCCI協議会でも詳細を確認できます。
設計(ハード・ソフト両方)から実装まで一気通貫したいなら
ホックス・ケイティーエス・REALIZEが最有力候補です。
この3社は回路設計・ソフトウェア開発・基板設計から実装・組立まで、製品化に必要な工程を広くカバーできる体制を持っています。
特にケイティーエスはEdMSという概念のもと、IoT機器対応のクラウド構築・Webアプリケーション開発まで含めた垂直統合型の開発サービスを提供しており、「ハードウェアとソフトウェアを別々に依頼する手間をなくしたい」という発注者に最も適しています。
試作・小ロット・バラ部品実装から相談したいなら
シェルテクノが最有力候補です。
少量でのバラ部品実装への対応を公式に明示しており、N2リフロー装置と手実装の両方でニーズに応える体制を持っています。
試作フェーズで最も重要なのは「1枚から受け付けてもらえるか」「特殊な部品でも対応してもらえるか」という2点です。
シェルテクノはこの2点を明示的にカバーしており、試作段階の最初の相談先として適切な選択肢です。
大手メーカーと同等の品質管理が必要な精密実装・装置組み込み基板なら
REALIZEとデンケンの2社が最有力候補です。
両社とも、日本を代表する超大手メーカーの一次取引先として長年認定されてきた品質管理体制を持ちます。
産業機器・車載機器・医療機器など、民生品とは全く異なる品質水準が求められる製品の実装においては、こうした実績を持つ工場を選ぶことが唯一の安全策です。
通信機器・産業機器・監視システム等の設計から量産まで安定して任せたいなら
ホックスとケイティーエスが最有力候補です。
ホックスはJIT生産方式と自社基幹システムによって安定した量産体制を持ち、大手企業からのオーダーを継続的に受注しています。
ケイティーエスはISO9001/14001の両認証を取得し、国内製造に加えてタイ現地法人との連携によって大ロット・コスト最適化にも対応できる体制を持っています。
大分県の基板実装会社に発注する前に整理すべき5つのポイント
どの会社に問い合わせる場合も、以下の5点を事前に整理することで、やり取りの効率が格段に上がります。
1. 基板の用途と品質要件を言葉で定義する
「民生品(Consumer)」「産業機器(Industrial)」「医療機器(Medical)」「車載(Automotive)」という4つの用途区分は、それぞれ要求される品質管理水準が根本的に異なります。
IPCの品質規格(IPC-A-610)で言えば、民生品はクラス1、産業機器はクラス2、医療・車載・航空宇宙はクラス3に対応します。
この区分を最初に伝えることで、工場側の対応方針が一気に明確になります。
IPC規格についてはIPC公式サイトでも詳細を確認できます。
2. 基板仕様を数字で提示する
基板サイズ(縦×横mm)・層数・実装面(片面・両面)・最小部品サイズ(0603/0402/0201)・BGA/CSPの有無を一覧にしてください。
特に「BGA有り」は、X線検査設備の有無・リワーク対応能力に直結するため、最初から明示することが重要です。
3. 発注フェーズと将来計画を両方伝える
「今回は試作5枚、将来は月産100枚を見込んでいる」という将来見通しは、工場にとって非常に重要な情報です。
量産見込みを伝えることで、試作段階から量産を見越した治具設計・プロセス最適化を行ってくれる工場もあります。
4. 部材調達の方法を事前に決める
顧客支給(発注者が部品を調達して持ち込む)か工場一括調達かによって、見積もりの前提が全く変わります。
電子部品の入手困難な状況が続く現在、調達ネットワークを持つ工場(デンケン・ホックス・ケイティーエスなど)に調達まで委ねる方が、スケジュールリスクを大幅に下げられるケースもあります。
5. EMC試験や規格認証の要否を確認する
製品を市場に出すためにEMC試験やPSEマーク・CEマーキングが必要な場合、実装工場の選定段階でその対応能力を確認しておくことが重要です。
デンケンのようにEMC試験まで一貫対応できる工場を選ぶか、別途試験機関を手配するかによって、プロジェクトのスケジュールと費用が大きく変わります。
大分県の基板実装産業の今後の展望|半導体サプライチェーン再編の恩恵
2026年現在、大分県の電子製造産業は新たな転換期を迎えています。
熊本県のTSMC(JASM)進出の余波は、隣接する大分県にも波及しており、半導体関連のサプライチェーンが九州全域で再編されつつあります。
大分県内では、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SSCM)の長崎・大分拠点における生産拡大や、旭化成エレクトロニクスの宮崎・大分拠点での投資増強といった動きが続いており、これらを支える地場のEMS企業への需要が高まっています。
REALIZE株式会社がラピダスへの搬送ロボット受注を実現したことは、大分県の実装・装置製造企業が最先端半導体領域にまで供給できる技術水準を持っていることを国内外に示す出来事でした。
発注者の立場から見ると、こうした好況期には各社の受注が増加し、納期が長期化する可能性もあります。
「急いでいるわけではないが、そのうち委託先を変えたい」と考えているなら、今の段階から候補工場との関係構築を始めておくことが、将来のリスクヘッジになります。
大分県の産業動向については大分県産業科学技術センターでも最新情報を確認できます。
また、大分県の半導体産業の全体像については大分県LSIクラスター形成推進会議の情報が参考になります。
大分県のEMS・基板実装会社への問い合わせテンプレート
初めて問い合わせる場合でも、以下のフォーマットを使えばスムーズにやり取りが始まります。
コピーして使ってください。
件名:【基板実装のご相談】試作(○枚)/大分県内発注希望/納期○月○日
ご担当者様
○○株式会社の○○と申します。
基板実装についてご相談したく、ご連絡いたしました。
【基板仕様】サイズ:○mm×○mm / 層数:○層 / 実装面:片面・両面
【用途区分】民生品・産業機器・医療機器・車載(該当を選択)
【ロット】今回:○枚(将来的には月産○枚を想定)
【部品手配】支給 or 工場調達(ご相談可)
【部品点数】ユニーク○種、総点数○点(BGA:有・無)
【最小部品サイズ】○mm × ○mm
【希望納期】○月○日
【検査要件】外観検査 / 通電確認 / X線(ご相談) / EMC試験(有・無)
添付:ガーバーデータ、BOM、実装座標(準備中の場合はその旨ご連絡します)
ご対応の可否と、見積もりに必要な追加情報をご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
まとめ|大分県の基板実装・EMS工場を選ぶなら、専門性と実績の一致を最優先に
大分県は日本のシリコンアイランド九州の一角として、半導体産業との深い関わりの中で育ってきた高い技術水準を持つ実装・EMS企業が揃っています。
会社の数は多くありませんが、その分一社一社が明確な専門性と実績を持っており、「何でもできる」という曖昧な工場よりも「この領域なら大分のあの会社」という確固たる選択ができる地域です。
バーンイン基板・EMC試験・半導体後工程受託・設計から実装までのEdMS・JIT量産・ODMと、それぞれに際立った強みを持つ7社が大分県内に存在します。
選び方の原則は一つです。
自分の発注フェーズ(試作・小ロット・量産)・求める品質水準(民生品・産業機器・医療機器・車載)・対応してほしい工程の範囲(実装のみ・設計込み・EMC試験まで)を整理して、最も近い会社から順に問い合わせることが最速の方法です。
「ここに相談してみよう」と感じた会社があれば、ぜひ今日中に最初の一歩を踏み出してみてください。
参考・関連情報
- 大分県産業科学技術センター:https://www.oita-pref.jp/soshiki/40020/
- 大分県LSIクラスター形成推進会議:https://www.oita-lsi.jp/
- IPC(電子機器品質規格の国際機関):https://www.ipc.org/
- VCCI協議会(EMC関連規格):https://www.vcci.jp/
- 日本適合性認定協会(JAB):https://www.jab.or.jp/
※本記事に掲載している住所・電話番号・URLは調査時点(2026年4月)の情報です。
移転・変更の可能性があるため、お問い合わせ前に各社の公式サイトまたは法人登記情報にてご確認ください。
エスティケイテクノロジー(STK)およびREALIZEは主に自社製品・グループ向け製造が中心の場合があるため、外部受託については直接のお問い合わせが必要です。
デンケンのエレクトロニクス事業部の製造拠点は杵築市守江工場(TEL: 0978-63-8856)が主体であり、EMC試験については由布市本社の試験設備が対応しています。
ケイティーエスの日出工場(速見郡日出町藤原2553-1)はTEL: 0977-75-8900です。








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