
青森県内で基板実装やEMSの委託先を探しているが、どの工場に声をかければいいか分からない。
そんな状況で検索を重ねても、全国規模の情報ばかりが出てきて、青森県内の工場だけを絞り込めないと感じている方は多いはずです。
青森県は、大手電機メーカーの製造拠点としての歴史が長く、東北エリアのなかでも電子機器製造に携わる工場が比較的多く集積しています。
本記事では、公開情報をもとに青森県内の基板実装・EMS対応工場を7社調査し、各社の住所・電話番号・認証取得状況・得意分野を網羅的にまとめました。
委託先選びで押さえておきたい判断基準や、青森エリアの工場を使うメリットについても詳しく解説しています。
ぜひ最後まで読んで、自社に最適なパートナー探しの第一歩に役立ててください。
青森県で基板実装・EMS委託先を探すメリット
青森県内の工場を選ぶことは、単なる「地産地消」の話ではありません。
輸送コスト・品質管理・コミュニケーション速度という3つの観点から、近距離の工場を使うことは委託先選定において非常に合理的な判断です。
輸送コストとリードタイムを削減できる
青森県や東北エリアに製品拠点を持つ企業にとって、遠方(関東・中部・関西)の工場への外注は、輸送費と往復リードタイムが意外なほど積み重なります。
特に試作段階では、実装後の確認・リワーク・再試作というサイクルを素早く回せることが製品開発のスピードを左右します。
県内または東北近隣の工場であれば、緊急の仕様変更や品質確認のための工場訪問も現実的な選択肢になります。
顔の見える関係が品質を守る
電子機器製造において、図面や仕様書だけでは伝わりきらない「現場の肌感覚」があります。
部品の実装向き、コーティングの塗布範囲、基板分割時の応力管理など、口頭で確認しながら決める必要がある事項は想像以上に多いものです。
近隣の工場と顔の見える関係を築くことで、問題が起きたときの解決スピードが大きく変わります。
東北エリアの製造業ネットワークとの親和性
青森県には、自動車部品・半導体・農業機械・水産加工機器といった多様な製造業が集積しています。
地域内の製造業者どうしが連携しやすい環境にあるため、電子機器の部品調達から完成品組立まで東北エリアで完結できるサプライチェーンを構築しやすい点も見逃せないメリットです。
大手メーカー工場が集積する技術的裾野の広さ
青森県には、加賀電子グループ・キヤノングループ・リズム株式会社(旧東北リズム)など大手電機メーカーの生産拠点が長年にわたって立地してきました。
その結果、地元の協力工場・サプライヤーにも高度な実装技術や品質管理ノウハウが蓄積されており、中小規模の工場でも高い技術水準を持つところが少なくありません。
青森県の基板実装・EMS工場7社を徹底解説
以下は、公開情報をもとに確認できた青森県内の基板実装・EMS対応工場です。
各社の特徴・住所・連絡先・得意分野を詳しく解説します。
問い合わせ前には必ず公式サイトや直接確認で最新情報をご確認ください。
加賀EMS十和田株式会社(十和田市)
青森県内で最大規模のEMS専業工場として、車載・医療・産業機器まで幅広く対応しています。
エレクトロニクス商社大手「加賀電子株式会社」の100%子会社であり、親会社の調達ネットワークと組み合わせることで、部品調達から実装・完成品組立まで一貫したサービスを提供できる体制が整っています。
1972年10月の設立から半世紀以上にわたり、十和田市に本社工場と第二工場の2拠点を構え、従業員247名(2026年3月現在)規模で稼働しています。
ISO9001・ISO14001という標準的な品質・環境マネジメントに加え、医療機器向けのISO13485と車載向けのIATF16949を取得している点が特に注目されます。
ISO13485とIATF16949を両方取得している工場は全国的にも多くなく、医療機器と車載機器の両分野に製品を展開する企業にとって、一社で対応できるパートナーとして非常に貴重な存在です。
また、「一般医療機器製造業」の許可も取得しており、医療機器の製造受託には法令面でも対応が確認されています。
会社名:加賀EMS十和田株式会社
本社工場:〒034-0003 青森県十和田市元町東一丁目15-1
TEL:0176-25-1131 FAX:0176-25-1641
第二工場:〒034-0003 青森県十和田市元町東二丁目12-35
TEL:0176-25-0901 FAX:0176-25-0904
認証:ISO9001・ISO14001・ISO13485・IATF16949・一般医療機器製造業
得意分野:車載機器・医療機器・産業機器向け基板実装、製品組立工程、自社開発製品の製造
アンデス電気株式会社(八戸市・青森市)
「IT&環境・健康」をテーマに掲げ、電子応用機器の実装組立から空気清浄機器・LED照明の開発製造まで自社一貫体制で取り組む八戸市発のメーカーです。
1971年設立の老舗企業で、ISO9001・ISO14001のほか、IPC規格やグリーンパートナー認証も取得しています。
特に注目すべき点は、基板設計・基板製造・基板実装・調達代行まで一つの工場グループで完結できる垂直統合型の生産体制です。
青森県内に本社棟・テクニカル工場・テクニカル第二工場・加工センター・生産技術センターと5拠点を八戸市桔梗野工業団地内に集中配置し、さらに青森市にも工場を持つため、工程間の移動コストと品質リスクを最小化しています。
主な取引先にNECプラットフォームズ・東芝メディア機器・日立製作所などが並んでおり、大手電機メーカーの厳格な品質基準をクリアしてきた実績は、委託先としての安心材料になります。
会社名:アンデス電気株式会社
本社:〒039-2292 青森県八戸市桔梗野工業団地1丁目3番1号
TEL:0178-20-2811
テクニカル工場:〒039-2246 青森県八戸市桔梗野工業団地1丁目4番1号
TEL:0178-20-2844
青森工場:〒030-0802 青森県青森市富田3丁目8番31号
認証:ISO9001・ISO14001・IPC規格・グリーンパートナー
得意分野:PC基板・電子機器の組立実装、精密金型加工、空気清浄機器・LED照明の自社開発製造
桜総業株式会社 青森工場(八戸市)
ワイヤーハーネスと表面実装基板を「精密機器の神経と頭脳」と表現し、両者の一貫生産を強みとする1961年創業の老舗電子機器製造会社です。
本社は神奈川県横浜市に置き、青森工場は八戸市北インター工業団地に構えています。
実装設備9ラインを保有し24時間稼働体制というのは、量産対応力の観点で青森県内でも際立った規模感です。
ISO14001(2004年取得)・ISO9001(2006年取得)の認証を持ち、中国にもシンセン工場・江西工場の2工場を有するため、大ロット品のコスト対応は海外拠点との連携で実現できます。
特徴的なのは、0402サイズの極小チップから長尺基板(500mm×800mm)まで対応できる幅広い実装スペックと、アルミ基板などの金属基板への実装経験が豊富な点です。
蛍光X線成分分析装置によるRoHS物質分析も自社で対応しており、環境規制への対応が求められる製品にも安心して依頼できます。
また、ESD(静電気放電)対応工場として温湿度管理も徹底しており、静電気に弱い精密デバイスを含む基板への実装品質を高いレベルで担保しています。
会社名:桜総業株式会社 青森工場
住所(青森工場):〒039-2245 青森県八戸市北インター工業団地2-3-25
TEL:0178-21-6391 FAX:0178-20-6394
URL:https://sakura-sohgyo.co.jp/
認証:ISO9001・ISO14001
得意分野:表面実装(SMT)9ライン保有・24時間稼働、ワイヤーハーネス製造、長尺基板・アルミ基板・極小チップ0402対応、LED照明製造
キヤノンプレシジョン株式会社(弘前市)
キヤノングループの生産会社として、精密マイクロモータ・超音波モータ・センサーの製造を主事業に置きつつ、「プロダクションサービス(受託生産)」事業を通じてEMS受託にも対応しています。
2004年にキャノン精機株式会社と弘前精機株式会社が合併して設立され、弘前市の北和徳工業団地に本社・北和徳事業所と北和徳第二事業所の2拠点を持ちます。
キヤノングループの厳格な品質管理体制と製造設備が活きるEMS事業では、基板実装・精密加工・ユニット組立・完成品組立を一貫対応できる体制が整っています。
経済産業省の「健康経営優良法人(ホワイト500)」に2023年度・2024年度と連続認定されており、職場環境の安定性も高く、長期的なパートナーとして信頼できる企業です。
1995年に英国環境管理規格BS7750を取得(ISO14001組織化以前)した実績からも分かるように、環境管理への意識が高く先進的な取り組みが根付いています。
EMS受託の詳細な対応範囲や受注条件については、直接問い合わせによる確認を推奨します。
会社名:キヤノンプレシジョン株式会社
本社・北和徳事業所:〒036-8072 青森県弘前市大字清野袋5丁目4番地1
TEL:0172-32-2011
URL:https://prec.canon/ja/index.html
認証:ISO9001・ISO14001(BS7750取得実績)
得意分野:精密マイクロモータ・超音波モータ製造、センサーパッケージ、プロダクションサービス(EMS受託)、基板実装・ユニット組立・完成品組立
有限会社プレアデス電子(黒石市・南津軽郡田舎館村)
「顕微鏡を使った精密はんだ付け」を最大の強みとする、黒石市に本拠を置く実装専業の工場です。
1991年3月の設立以来、各親会社からの認定を受けた作業者だけがはんだ付けを行うという徹底した技能管理が特徴で、精密性が求められる案件への対応力は青森県内でも際立っています。
本社工場(黒石市末広)・第二工場(黒石市中川)・第三工場(南津軽郡田舎館村)の3拠点体制で、複数の親会社の仕事を平準化しながら安定した生産活動を展開しています。
主要取引先は株式会社日本マイクロニクス・第一電子工業株式会社・十和田オーディオ株式会社など、半導体検査装置や電子機器分野の企業が名を連ねており、精度要求の高い製品での実績が豊富です。
注目すべきは、令和4年4月から緊急生産依頼品・小ロット品専用ラインを1ライン確保した点です。
急を要する製品や少量品(量産・長期生産品を除く)の受注を専用ラインで受け付けており、開発段階の試作対応に強い工場として機能しています。
N2(窒素)対応リフロー炉も保有しており、酸化しやすいデバイスを含む高品質実装にも対応しています。
SMT/基板表面実装・プローブカードへの配線と針のはんだ付け・ハーネス加工・各種アッセンブリー完成品生産・プリント基板改造および改修工事と、幅広い工程に対応しています。
会社名:有限会社プレアデス電子
本社工場:〒036-0521 青森県黒石市末広91
TEL:0172-53-1356 FAX:0172-53-1644
第二工場:〒036-0345 青森県黒石市中川字花岡43-1
TEL:0172-88-8134 FAX:0172-88-8136
第三工場:〒038-1112 青森県南津軽郡田舎館村垂柳永田35-2
TEL:0172-88-8492 FAX:0172-88-8493
URL:http://www.pleiades-e.com/
得意分野:顕微鏡精密はんだ付け・SMT・N2リフロー対応、プローブカード関連、ハーネス加工、緊急小ロット対応ライン保有
ハイコンポーネンツ青森株式会社(北津軽郡鶴田町)
1981年設立の半導体後工程(バックエンド)専業工場で、津軽平野のほぼ中央・鶴田町に本社を構えています。
デジタル機器・携帯機器などの小型・薄型・多ピン面付けパッケージの微細加工技術を専門とし、スマートフォンや自動車に使われる半導体パッケージングの分野で国内外から高い評価を受けています。
主な事業内容はウエハのダイシング・ダイボンディング・ワイヤーボンディング・樹脂封止・電気的特性検査という半導体後工程であり、いわゆる「基板実装(PCB実装)」とは異なる領域が主体です。
ただし、電子デバイスの実装・パッケージングという意味では電子機器製造の重要な工程であり、半導体デバイスの後工程委託先を青森県内で探している場合に最適な選択肢となります。
一般社団法人青森県工業会の会員企業としても名を連ねており、県内の電子・精密機器製造ネットワークにも参画しています。
半導体後工程に特化した委託先を探している場合、または基板実装と組み合わせてパッケージング工程も同エリアで完結させたい場合に、問い合わせる価値がある工場です。
会社名:ハイコンポーネンツ青森株式会社
住所:〒038-3515 青森県北津軽郡鶴田町大字山道字小泉275番地
TEL:0173-22-6340 FAX:0173-22-5364
URL:https://www.hc-aomori.co.jp/
得意分野:半導体後工程(ダイシング・ダイボンディング・ワイヤーボンディング・樹脂封止・電気試験)、小型・薄型・多ピンパッケージの微細加工
株式会社みちのくサウンド(北津軽郡中泊町)
1982年4月に地域の雇用促進を目的として創業し、設立当初は音響機器の製造が中心でしたが、現在は産業機器の表面実装が主業務となっています。
「基板実装~組立まで1台から対応する最適なEMSトータルソリューション」を掲げ、設計開発・基板設計・部品調達・試作検証・基板実装・組立まで少量から対応できる体制が強みです。
0402~BGA・大型コネクターまで対応した鉛フリー高密度実装ラインを保有し、月産装着可能点数4,000万点という処理能力を持ちながらも、1台からの試作に対応できる多種変量生産体制を確立しています。
紙基板・ガラエポ・FPC・セラミック・メタル基板といった多様な基板種別への対応実績があり、COB(Chip On Board)実装にも対応。
ICT検査(インサーキットテスタ)およびFCT検査(機能試験)への対応も確認されており、検査込みのワンストップ委託が可能です。
X線検査・はんだ印刷検査・各種リワーク作業にも対応。
主要取引先には多摩川精機・キヤノンプレシジョン・ダイヘン・加藤製作所など、産業機器・精密機器分野の実績ある大手企業が並んでいます。
また、BGA検証・リワーク(基板組立後の不良対策工程)も手掛けており、試作段階での不具合対応を含めたトータル支援が可能です。
新規生産・試作時には生産設定の検証・改善提案(MSDサービスレポート)を添付するという取り組みも、委託先として信頼感を高める要素です。
会社名:株式会社みちのくサウンド
住所:〒037-0305 青森県北津軽郡中泊町大字小泊字朝間18-4
TEL:0173-64-2320
URL:https://michinoku-sound.co.jp/
得意分野:SMT高密度実装(0402~BGA対応)・COB実装・FPC・セラミック・メタル基板対応、ICT/FCT検査、BGA検証・リワーク、試作1台からのEMSトータル対応
【エリア別早見表】青森県の基板実装・EMS工場一覧
| 会社名 | 所在地 | TEL | 主な認証 | 対応分野 |
|---|---|---|---|---|
| 加賀EMS十和田 | 十和田市 | 0176-25-1131 | ISO9001/14001/13485・IATF16949 | 車載・医療・産業機器EMS |
| アンデス電気 | 八戸市・青森市 | 0178-20-2811 | ISO9001/14001・IPC | 基板実装・金型・環境製品 |
| 桜総業(青森工場) | 八戸市 | 0178-21-6391 | ISO9001/14001 | SMT9ライン・ハーネス・LED |
| キヤノンプレシジョン | 弘前市 | 0172-32-2011 | ISO9001/14001 | EMS受託・精密モータ・センサー |
| プレアデス電子 | 黒石市 | 0172-53-1356 | ー | 精密はんだ・SMT・緊急小ロット |
| ハイコンポーネンツ青森 | 北津軽郡鶴田町 | 0173-22-6340 | ー | 半導体後工程(ダイシング等) |
| みちのくサウンド | 北津軽郡中泊町 | 0173-64-2320 | ー | SMT・COB・BGA・試作1台対応 |
委託工場を選ぶうえで必ず確認すべき6つのポイント
青森県内の工場7社を比較する際、価格だけで決めてしまうと後で痛い目を見るケースが少なくありません。
委託先を選ぶときに実際の現場経験から重要だと感じる6つのポイントをお伝えします。
1. 取得認証と製品用途を必ず照合する
自社製品の用途に応じた認証を取得している工場を選ぶことは、品質保証と法規制遵守の両面で必須です。
医療機器向けの製品であればISO13485、車載製品であればIATF16949の取得状況を確認してください。
今回紹介した7社のなかで、ISO13485とIATF16949を両方取得しているのは加賀EMS十和田株式会社のみです。
認証取得の有無は工場の品質管理レベルの指標になりますが、認証の「スコープ(対象範囲)」まで確認することが重要です。
認証を持っていても、特定の製品や工程が対象外になっているケースがあるため、必ず工場の担当者に確認しましょう。
JPCA(日本回路工業会)のサイト(https://www.jpca.net/)では、基板実装に関連する品質基準や規格の情報を確認できます。
2. 最小受注ロットと試作対応力を確認する
試作段階では1枚・1台から受注してもらえるかどうかが開発スピードを大きく左右します。
今回の7社のなかで、試作1台からの対応を明示しているのは「みちのくサウンド」と「プレアデス電子(緊急小ロットライン)」です。
量産と試作を同一工場で行うことで、製造条件の一貫性が保たれ、量産移行時のトラブルを減らすことができます。
最小ロット数は問い合わせ前に必ず確認し、量産移行後も同じ工場で対応できるかどうかもあわせて聞いておくと安心です。
3. 実装対応スペック(最小チップサイズ・対応基板種別)を照合する
自社製品に使用する電子部品が工場の実装スペックに収まるかどうかを事前に確認することは鉄則です。
0402サイズのチップに対応しているか、BGA・QFN・CSPなどのファインピッチパッケージへの実装実績があるか、フレキ基板・アルミ基板・セラミック基板への対応可否といった点を問い合わせ前にリスト化しておきましょう。
4. 検査設備の有無と検査工程の範囲を確認する
AOI(自動光学検査装置)・X線検査・ICT・FCTといった検査設備の有無は、不良品の流出リスクを左右する重要な指標です。
みちのくサウンドはX線検査・ICT・FCT対応を明示しており、プレアデス電子はN2リフローと顕微鏡外観検査を特徴としています。
アンデス電気は「基板の窓口」サイトの情報から、IPC規格に準拠した検査体制が確認されています。
5. 部品調達力と終息品対応の有無を確認する
EMS委託のメリットの一つは部品調達を工場に任せられることですが、調達力には工場によって大きな差があります。
加賀EMS十和田株式会社は親会社の加賀電子グループの調達ネットワークを活用できるため、部品調達面での安定感は際立っています。
半導体不足・終息品問題が続く現在の調達環境では、代替品提案力や調達先の多様性も委託先選定の重要な評価軸です。
6. コミュニケーション体制と工場見学の可否を確認する
担当者の技術的な理解度・見積もり回答スピード・工場見学の受け入れ可否を確認しておくことで、実際の取引開始後のトラブルを事前に回避できます。
発注前に必ず工場を訪問し、実際の製造現場を目で見て確認することを強くお勧めします。
特に、はんだ付けの工程管理・部品保管の環境(温湿度・ESD対策)・不良品管理の仕組みは、現地でしか確認できない重要ポイントです。
基板実装の工法と仕様の基礎知識
委託先に問い合わせる際、基板実装の基本的な工法の知識があると会話がスムーズになります。
SMT(表面実装)
基板表面にクリームはんだを印刷し、チップマウンターで部品を搭載後、リフロー炉で加熱してはんだを溶融・固化させる現代の主流工法です。
0402サイズ以下の超小型チップへの対応や、BGAなどの多ピンパッケージへの対応は、工場の設備と技術者の熟練度が品質を決定します。
DIP(挿入実装)
部品のリード線を基板の穴に通してはんだ付けする従来型の工法で、コネクタ・大型コンデンサ・トランスなどに今でも使用されます。
フロー炉(波はんだ槽)での一括はんだ付けか、手はんだ付けかによって品質と工数が変わります。
混載実装(SMT+DIP)
多くの製品では表面実装と挿入実装を組み合わせる必要があり、両工程を社内で完結できる工場を選ぶことが品質安定の近道です。
COB(Chip On Board)実装
ベアチップを直接基板に搭載してワイヤーボンディングする実装方式で、みちのくサウンドが対応を確認しています。
LEDや光センサーなど、パッケージなしの半導体チップを実装する必要がある場合に求められます。
鉛フリーはんだ対応とRoHS
現在のほとんどの製品はEUのRoHS指令に基づき鉛フリーはんだの使用が必要です。
鉛フリーと共晶(有鉛)はんだを設備・工具・作業エリアで完全に分離管理しているかどうかは、鉛成分の混入リスクを排除するうえで重要な確認事項です。
環境規制の最新情報は、経済産業省のRoHS指令関連ページ(https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/rohs/)で確認できます。
N2(窒素)リフロー対応
窒素雰囲気下でリフローを行うN2対応炉は、はんだ接合部の酸化を抑制し、ぬれ性向上や空洞(ボイド)低減に効果があります。
BGAや高温鉛フリーはんだの実装品質を向上させるためにN2対応炉が必要な場合は、事前に確認が必要です。
プレアデス電子はN2対応リフロー炉の保有が確認されています。
認証規格(ISO・IATF・ISO13485)の読み方と選び方
委託先の工場が取得している認証規格を正しく読み解くことは、委託後の品質リスクを大幅に低減します。
ISO9001(品質マネジメントシステム)
製造業全般に広く使われる国際的な品質管理規格です。
顧客要求事項を満たし、継続的に品質を向上させる仕組みを持っていることを証明するものですが、特定の製品分野や工程を対象とするものではありません。
委託先を選ぶうえでの最低限の品質管理レベルの目安となります。
ISO14001(環境マネジメントシステム)
環境への影響を継続的に管理・改善する仕組みを持っていることを証明する規格です。
廃棄物管理・有害物質の使用制限・エネルギー消費の削減などへの取り組みが評価されます。
グリーン調達の観点から取引先に要求するメーカーも増えており、環境配慮の姿勢を重視する場合に参考になります。
ISO13485(医療機器品質マネジメントシステム)
医療機器の設計・開発・製造・販売・アフターサービスにおける品質マネジメントの国際規格です。
医療機器向けの製品を実装委託する場合、ISO13485を取得した工場に依頼することが原則となります。
今回の7社で取得が確認できるのは加賀EMS十和田株式会社のみです。
IATF16949(自動車産業品質マネジメントシステム)
自動車業界向けの品質マネジメントシステム規格で、ISO9001の要求事項に加えて自動車産業固有の要件が加わります。
車載製品の基板実装を委託する場合、IATF16949を取得した工場を選ぶことが、納入先メーカーから求められるケースが増えています。
今回の7社で取得が確認できるのは加賀EMS十和田株式会社のみです。
よくある質問(FAQ)
Q. 青森県内で試作1台から受け付けてもらえる工場はありますか?
A. 株式会社みちのくサウンドは「基板実装から組立まで1台から対応する」と公式サイトで明示しています。有限会社プレアデス電子も、令和4年4月より緊急生産依頼品・小ロット品専用ラインを1ライン確保しています。ただし量産・長期生産品は別ラインでの対応となるため、要件を事前に確認することを推奨します。
Q. 医療機器向けの基板実装を青森県で依頼できる工場はありますか?
A. 加賀EMS十和田株式会社がISO13485および一般医療機器製造業の許可を取得しており、医療機器向けの基板実装への対応が確認できる唯一の工場です。詳細な対応製品の範囲は直接問い合わせてご確認ください。
Q. 車載向けの基板実装をIATF16949認証取得工場に依頼できますか?
A. 加賀EMS十和田株式会社がIATF16949を取得しています。車載製品では認証の取得だけでなく、工程設計・PPAP(生産部品承認プロセス)への対応可否も確認することをお勧めします。
Q. BGA実装やX線検査に対応している青森県の工場はどこですか?
A. 株式会社みちのくサウンドが0402からBGAまでの高密度実装ラインと、X線検査・BGA検証・リワーク対応を明示しています。加賀EMS十和田株式会社も高密度実装への対応実績がある大規模工場です。
Q. 部品調達(電子部品の買い付け)も含めて一括で依頼できますか?
A. 加賀EMS十和田株式会社は親会社の加賀電子グループの調達ネットワークを持ち、アンデス電気株式会社も調達代行への対応を確認しています。みちのくサウンドも部品調達への対応を公式サイトで案内しています。依頼前に調達範囲・リードタイム・最低発注数量を確認することをお勧めします。
Q. 見積もりをスムーズに進めるために事前に用意すべき資料はありますか?
A. 問い合わせの際に以下の情報を準備しておくと、回答スピードが格段に上がります。基板の外形図・ガーバーデータ、部品表(BOM)、必要数量(試作と量産の内訳)、希望納期、部品支給か工場調達かの区別、検査仕様(AOI・X線・ICT・FCTの要否)、特殊工程の有無(コーティング・ポッティング・N2リフロー等)。
まとめ|青森県の基板実装・EMS工場選びで迷わないために
今回ご紹介した青森県内の基板実装・EMS対応工場7社の特徴を整理すると、以下のように整理できます。
加賀EMS十和田株式会社(十和田市)は、ISO13485・IATF16949を取得した青森県最大級のEMS専業工場で、医療機器・車載・産業機器まで幅広く対応できる青森県のEMS拠点として最有力の選択肢です。
アンデス電気株式会社(八戸市・青森市)は、基板設計から実装・調達まで自社完結できる垂直統合型の体制を持ち、大手電機メーカーとの取引実績が豊富な信頼性の高いメーカーです。
桜総業株式会社 青森工場(八戸市)は、SMT9ライン・24時間稼働という量産対応力と、0402チップ・長尺基板・アルミ基板への幅広い対応スペックを持つ、ワイヤーハーネスと表面実装基板の一貫生産に強い工場です。
キヤノンプレシジョン株式会社(弘前市)は、キヤノングループの品質体制と精密製造技術を背景に、プロダクションサービス事業としてEMS受託に対応している弘前エリアの有力な選択肢です。
有限会社プレアデス電子(黒石市)は、顕微鏡精密はんだ付けに特化した専門工場で、半導体検査装置や精密機器向けの高難度実装、緊急小ロット対応に強みを持ちます。
ハイコンポーネンツ青森株式会社(北津軽郡鶴田町)は、半導体後工程(ダイシング・ワイヤーボンディング等)に特化した専業工場で、スマートフォン・自動車向け半導体パッケージングに実績があります。
株式会社みちのくサウンド(北津軽郡中泊町)は、試作1台から産業機器向けの高密度実装まで対応し、COB・BGA・ICT/FCT検査を含むEMSトータルソリューションを提供する、開発段階から量産まで伴走できる工場です。
委託先を探す際に最も大事なことは、価格や距離だけでなく「自社の製品用途・認証要件・ロット規模・求める工程範囲」と、各工場の得意分野を丁寧に照らし合わせることです。
本記事の情報を活用して、まずは候補3社程度に絞り込み、工場見学や打ち合わせを通じて最適なパートナーを見つけてください。
各社の住所・電話番号・事業内容・認証取得状況は変更になる場合がありますので、必ず各社の公式サイトや直接問い合わせで最新情報をご確認ください。









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