

本日は、特にレガシープロセスの維持に関わる8インチウェハの生産能力低下と、依然として勢いの止まらないメモリ価格の急騰に関する最新の市場インサイトをお届けします。
目次
重要:生産終了(EOL)および製品変更通知 (PCN)
2026年に入り、半導体メーカー各社は製造効率を上げるため、8インチウェハから12インチウェハへの移行、および古いリソグラフィノードの退役を加速させています。
- 8インチウェハ容量の世界的減少 (TrendForce予測)
- 状況: TSMCやSamsungなどの大手ファウンドリが8インチウェハの生産能力を削減しています。2026年には世界全体で前年比2.4%の減少が予測されています。
- 影響部品: PMIC(電源管理IC)、BCDプロセスデバイス、汎用アナログIC。
- 対策: これらレガシーノードで製造される部品は、リードタイムの延伸や突然のEOL通知のリスクが高まっています。特に車載・産業向けの旧型番を使用している場合は、代替品の確保が急務です。
- ソース: TrendForce flags 8-inch wafer decline – Astute Group
- Nexperia (ネクスペリア) の供給リスク
- 状況: 特定のディスクリート部品において供給不安が続いており、代替品への切り替えが加速しています。
- ソース: What the Nexperia crisis means for global supply – Procurement Pro
市場在庫の枯渇・供給不足(ショート)情報
AIサーバー需要によるリソースの独占が、一般商用メモリの供給を「構造的な危機」に陥れています。
- メモリ市場の「スーパーサイクル」突入
- 状況: Samsung、SK Hynix、Micronがウェハ容量をHBM(高帯域幅メモリ)へ優先的に割り当てているため、汎用のDRAM(DDR4/DDR5)およびSSDが深刻な不足状態にあります。
- 影響: 世界のメモリ生産量の最大**70%**がデータセンターに消費されるとの予測もあり、PC市場や一般産業機器市場向けのリソースが枯渇しつつあります。
- ソース: Data centers will consume 70% of memory chips in 2026 – Tom’s Hardware
- コネクタ業界の需要急増
- 状況: AIインフラ向けの需要により、コネクタ業界のTAM(最大市場規模)は2026年に90%以上増加すると予測されており、一部の産業用コネクタのリードタイムに影響が出始めています。
価格高騰トレンド
原材料価格の上昇と需給の不一致により、2月1日から広範な価格改定が実施されます。
- アナログ・デバイセズ (ADI): 値上げ実施まであと4日
- 内容: 2026年2月1日より全製品を対象に最大30%の値上げ。
- 詳細: 軍用・宇宙用グレードは最大30%増、標準品も10〜15%増と、ほぼすべてのポートフォリオで価格が引き上げられます。
- ソース: ADI Plans 10-30% Price Hike – TrendForce
- DRAM契約価格の大幅上昇
- 予測: 2025年末から2026年初頭にかけて価格が40〜50%上昇しており、今後も高止まりが続く見通しです。
【受動部品・コネクタ】原材料費(銀・銅)の直撃
貴金属価格の上昇が、受動部品の価格を押し上げています。
- Yageo (国巨): 銀コストの上昇を受け、磁気ビーズ(Magnetic Beads)の値上げを通知。
- MLCC(積層セラミックコンデンサ): AIサーバー向けの特定仕様品において、リードタイムが 20〜30週 に延伸。工場稼働率は限界に近い状態が続いています。
【基板材料(CCL・銅箔)】歴史的な価格改定ラッシュ
基板製造コストの約4割を占める材料費が、過去最大級の値上げ局面を迎えています。
- Resonac (旧昭和電工): 銅箔、ガラスクロス、樹脂の需給逼迫と物流費増を理由に、3月1日 出荷分より銅張積層板(CCL)およびプリプレグの販売価格を 30%値上げ。
- その他の材料メーカー: Kai Tak(解特)が12月に2度の値上げ(計約20%)を実施したほか、南亜プラスチックもCCL全製品を 8%値上げ。
【実装技術・環境規制】PFAS問題と次世代実装への課題
製造プロセスそのものに対する規制や課題も表面化しています。
- PFAS規制の二次処理課題: 有機フッ素化合物(PFAS)の除去後に発生する汚泥などの「二次処理」が新たな課題として浮上。製造業における環境対策コストの増大を示唆しています(2026年1月22日発表)。
- SMT設備: 高密度実装(HDI)や微細化に対応するため、設備更新需要が継続。Kurtz Ersa等の設備メーカーによる技術トレーニングへの関心が高まっています。
今日のまとめと推奨アクション
本日の最優先アクションは、「8インチウェハ製造部品の在庫状況の再点検」です。
- 電源IC・アナログICのBOM照合: 自社基板で8インチライン製造品(PMIC等)を使用している場合、ファウンドリの減産による供給停止リスクを考慮し、セカンドソースの確保を検討してください。
- ADI製品の最終発注: 2月1日の価格改定まであとわずかです。今週中に発注を確定させることを強く推奨します。
- メモリの先行確保: 2026年を通じて不足が続く「スーパーサイクル」に入ったため、DDR4等の汎用品は可能な限り長期的な在庫を確保してください。






