
今朝、実装現場と調達部門が直面しているのは、単なる「品薄」ではなく、AI需要にリソースが吸い取られたことによる「汎用部品の構造的欠乏」です。
目次
重要:生産終了(EOL)および製品変更通知 (PCN)
大手メーカーが不採算なレガシー・コンシューマー部門を驚異的なスピードで整理しています。
- Micron (マイクロン) – Crucialブランド廃止まで残り19日
- 内容: 2026年2月末をもって、Crucialブランドのコンシューマー向け製品供給を完全に終了します。
- 影響: 安価なSSDやDRAMモジュールを産業機器に流用している場合、今月が「最終確保」の期限です。
- Microchip (マイクロチップ) – 開発ツールおよびLEDドライバの整理
- 通知 (2026年1月23日): LEDドライバIC HV9982 のObsolete(生産終了)および、多数の開発ツール(CPN)のEOLが正式に発表されました。
- リスク: 同社の dsPIC33シリーズ 等で、シリコンエラッタに伴うリビジョン変更も多発しており、旧リビジョンの在庫確認が急務です。
- ルネサス エレクトロニクス – タイミング事業売却とセンサーIC EOL
- 動向: 2月5日に発表されたタイミング事業の SiTime社 への譲渡を受け、クロック製品の供給体制に変化が生じています。
- アラート: センサーIC ZSSC3016, ZSSC3026, ZSSC3036 シリーズの最終受注日(LTB)は 2026年6月30日 です。
市場在庫の枯渇・供給不足(ショート)情報
AIサーバー特需が、ついに「メモリ・アポカリプス(メモリの終焉)」と呼ばれるほどの供給不足を引き起こしています。
- メモリ (DRAM / NAND) – 納期「58週」と価格「2倍」への改定
- 状況: AIサーバー向けのHBM増産により、汎用DRAMのウェハ投入が極端に制限されています。
- 納期: DDR4/LPDDR4等のリードタイムは、一部で 58週(1年以上) に達し、完全な「割当(アロケーション)制」へ移行しました。
- 影響: Raspberry Pi や格安スマートフォンなど、DRAMを搭載するすべての製品で、今後数週間以内にさらなる価格改定や出荷制限が予想されます。
- 自動車・産業向け半導体 – 「優先順位」の低下
- 状況: S&P Global Mobilityの最新レポート(2026年2月5日)によると、半導体サプライヤーは「AIデータセンター顧客」を最優先しており、自動車メーカーは完全に後回しにされています。2026年Q2以降、高度な運転支援システム(ADAS)搭載車の生産に直接的な影響が出るリスクが高まっています。
価格高騰トレンド:実装業界を襲う「25%+30%」の累積コスト
- 米国新関税 (Section 232) 発動: 25%の追加課税
- 内容: 2026年2月5日より、外国製半導体および製造装置等への 25%の追加関税 が実施されています。
- 影響: 米国市場向け製品を製造している場合、BOM上の対象半導体コストが25%加算されます。これはADIやTIの値上げと重複するため、致命的なコスト増となる恐れがあります。
- Analog Devices (ADI): 2月1日より最大30%の値上げ適用中
- 状況: 軍用グレードの 30%増 を含む新価格での取引が本格化しています。未出荷のバックログ(注文残)への価格転嫁について、商社間での調整が難航しています。
- 原材料費の上昇 – 4月1日からさらなる値上げ
- メーカー: Eaton, Mersen, MTE など。
- 内容: 鋼材、銅、アルミニウムの急騰を理由に、2026年4月1日 より追加の価格改定(10〜15%程度)が各社から予告されています(2026年2月2日通知)。
【本日の推奨アクション】
- Crucial(Micron)製品の最終在庫確保: 今月がブランド廃止の最終月です。代わりとなるMicronブランドのエンタープライズ品や他社製への切り替え準備を今週中に完了させてください。
- 米国向け製品の関税リスク精査: 25%の追加関税が適用される部品が含まれていないか、至急物流・税務部門と連携して確認してください。
- DRAMの「2027年分」予約: 納期が1年を超え、価格が倍増しているため、来年前半の必要量を現時点での価格であっても確保する決断が求められています。

