【2026年2月16日】世界半導体・電子部品市場レポート:メモリ市場の「供給断絶」とAIバブルによる構造的インフレ

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目次

1. エグゼクティブ・サマリー:メモリ供給網の「完全なる再編」

2026年2月第3週、メモリ市場はもはや「周期的な需給バランス」の枠を完全に踏み外しました。

AIサーバー向けHBM3E/HBM4の増産が、既存の汎用DRAM(DDR4/LPDDR4)の生産キャパシティを物理的に消滅させています。

今週の最重要トピックは、DDR4契約価格の「週次での上振れ」マイクロンによるCrucialブランド廃止に伴う流通在庫の枯渇、そして中国CXMT(長鑫存儲)に対する制裁強化の影響です。

調達現場では「価格よりも枠(アロケーション)」の確保が最優先課題となっています。


2. DRAM市場:汎用品の「アロケーション制」への完全移行

先週末から今朝にかけての最新データによれば、Samsung、SK Hynix、Micronの3強体制による汎用DRAMの供給体制は「絶望的」な水準にあります。

HBM4へのリソース全振り:DDR4は「副産物」へ

主要メーカーは、利益率が極めて高いAI専用メモリ(HBM)の生産に、クリーンルームの面積とエンジニアリングリソースの80%以上を割いています。

  • 現状: 旧来のDDR4生産ラインは更新されず、歩留まりが低下したまま放置されるケースも散見されます。
  • リードタイム: 現在の標準的なDDR4(8Gb/16Gb)のリードタイムは 40週〜58週。一部の特定型番(産業用温度グレード等)は「未定」となっています。

DDR4価格の異常な高騰:TrendForce最新修正

TrendForceの2月発表データをさらに更新する形で、スポット市場では2月14日・15日の両日、前週比でさらに5%の価格上昇が観測されました。

  • Q1価格予測: 当初の「前四半期比60%増」という予測を、一部のアナリストは 「95%〜110%増(実質倍増)」 へ上方修正しました。
  • 背景: AI特需に加え、中国系メーカー(CXMT等)の先端プロセスへの移行が米国の輸出規制により足踏みしているため、供給の「逃げ道」が塞がれています。

【一次ソース】


3. NANDフラッシュ:エンタープライズSSDの深刻な供給欠乏

DRAMに続き、NANDフラッシュ市場も「AIデータセンター向け大容量SSD」への需要集中により、構造的な不足が始まっています。

Western DigitalとKioxiaの合併報道と供給への影響

先週末、Western Digitalとキオクシア(Kioxia)の合併交渉が最終段階に入ったとの観測が再浮上しました。

この再編への注力により、既存のレガシー製品(eMMCや低容量NAND)の生産最適化という名の「型番整理(EOL)」が加速するリスクが高まっています。

サーバー用SSDのリードタイム延伸

データセンターで使用される8TB、16TBのNVMe SSDは、現在 30週以上のリードタイム となっており、これに伴いコントローラICの不足も再燃しています。

【一次ソース】


4. EOL(生産終了)およびPCN(変更通知):今週のデッドライン

2026年2月末は、多くのメモリ製品にとって「運命の分かれ道」となります。

マイクロン(Micron):Crucialブランド完全廃止まで残り12日

  • 対象: Crucialブランドの全てのDDR4/DDR5メモリモジュール、およびSSD。
  • 最終出荷日: 2026年2月末。
  • 現状: 米国の主要ディストリビュータ(Mouser, DigiKey等)では、Crucialブランドの在庫が「Call for Lead time(納期要問合せ)」から「Temporary Out of Stock(一時在庫切れ)」へ変わり始めています。
  • 対策: 産業機器向けには、Micron純正の「IT(Industrial Temperature)」グレードへの切り替え、またはSamsung/SK Hynixへの設計変更が必須ですが、これらも品薄のため「設計変更そのものが不可能」という事態に陥りつつあります。

ルネサス(Renesas):旧IDTタイミング事業のSiTimeへの譲渡

  • 影響: メモリではありませんが、メモリの動作に必要な「クロック・タイミング製品」の供給体制が2月より移管され始めました。
  • 注意点: SiTimeはMEMS技術主導のため、従来の水晶ベース製品は中長期的にEOLとなる可能性が極めて高く、今のうちに他社製水晶OSCへのセカンドソース確保を推奨します。

【一次ソース】


5. 地政学的リスク:中国CXMTへの制束と供給への影響

2026年2月13日(金)に米国政府から示唆された、中国最大のDRAMメーカー CXMT(長鑫存儲) に対する新たな輸出制限措置は、週明けの市場に激震を走らせています。

  • 内容: HBM製造に必要な製造装置(特にハイブリッドボンディング関連)の中国への輸出禁止。
  • 市場への影響: これによりCXMTによる「安価な汎用DRAM」の供給増計画が頓挫し、Samsung等への依存度がさらに高まることが確定。結果として、グローバルなDRAM価格の下値支え(さらなる高騰) が継続する見通しです。

【一次ソース】


6. 調達・設計部門への「月曜日の提言」

今すぐ行うべき3つのアクション

  1. DDR4の「2027年分」先行予約: 納期58週という現状を鑑み、今週中に来年分のPO(発注書)を投入してください。価格は「時価(Market Price)」になるリスクを許容する必要があります。
  2. Crucial在庫の「全数確保」: 社内在庫および市場流通在庫のCrucialブランド品を、今月中にすべて押さえてください。3月以降の入手性はほぼゼロになります。
  3. 設計変更の早期決断: DDR4からDDR5への移行、またはLPDDR4からLPDDR5への移行を前倒ししてください。先端メモリの方が、メーカーの生産枠(キャパシティ)を確保しやすい状況に逆転しつつあります。

【免責事項】 本レポートは2026年2月16日時点の公開情報を基に作成されています。メモリ市場はボラティリティ(変動性)が極めて高いため、最終的な調達判断は一次供給元からの回答に基づいて行ってください。

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