【2026年2月13日】世界半導体・電子部品市場レポート:基板材料の30%高騰と米新関税25%の衝撃

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目次

1. エグゼクティブ・サマリー:金曜日の総括

2026年2月第2週、電子機器製造業界は「コストの断絶」とも呼ぶべき未曾有の局面に立たされています。

本日特に注視すべきは、レゾナック(旧昭和電工)による基板材料30%値上げのカウントダウン、および米国による「セクション232(232条)」に基づく半導体25%追加関税の本格施行です。

AIサーバー需要が極小の電子材料(Tガラス等)の供給を独占し、汎用的なFR-4基板から先端IC基板に至るまで、コスト構造が根本から書き換えられています。


2. 基板材料(CCL):レゾナック30%値上げと「材料アポカリプス」

基板実装の土台となる銅張積層板(CCL)市場において、2026年3月1日は歴史的な転換点となります。

レゾナック(Resonac)による衝撃の30%値上げ

日本最大手のCCLメーカー、レゾナックは2026年1月16日、3月1日出荷分よりCCLおよびプリプレグの販売価格を約30%引き上げると正式に発表しました。

  • 理由: 銅箔、ガラスクロス、エポキシ樹脂といった全主要原材料の急騰。
  • 背景: 銅価格はLME(ロンドン金属取引所)で1万2,000ドル/mtを突破する勢いであり、さらにAIサーバー向けに「HVLP銅箔」や「低誘電ガラスクロス」の需要が集中。汎用品の生産枠が劇的に削られています。

Kingboard(建滔)およびNanya(南亜)の追随

香港大手のKingboard Laminatesも、2025年12月から2026年1月にかけて3度の値上げ(累計約20〜25%)を断行。

業界のリーダー企業が一斉に「2桁パーセント」の値上げに踏み切ったことで、基板製造メーカー(PCBファブ)はコスト転嫁を避けることが不可能な状況です。

【一次ソース】


3. 地政学的リスク:米国「セクション232」関税25%の施行

2026年1月15日、米国の通商政策は新たな段階に入りました。

「セクション232」半導体追加関税の概要

トランプ政権は、国家安全保障上のリスクを理由に、半導体および製造装置、その派生製品に対し25%の追加関税を課す大統領布告を発効しました。

  • 発効日: 2026年1月15日(現在、全米の港湾・保税倉庫で適用中)
  • 対象: 特定の先端コンピューティングチップに加え、AIサーバーに関連する「派生製品(Derivative Products)」も含まれます。
  • 影響: 米国市場向けに基板・PCBA(実装基板)を輸出している企業は、部材コストの25%が「関税」として上乗せされます。これはADIやTIのメーカー値上げ(10-30%)と累積するため、合計コストが1.5倍近くになるケースも散見されます。

サプライチェーンの再構築(China Plus Oneの加速)

この関税回避のため、台湾系PCBメーカー各社(Zhen Ding, Unimicron等)は、タイ、ベトナム、マレーシアへの約19億ドル規模の新工場投資を急いでおり、2026年後半からこれらの拠点での量産開始が予定されています。

【一次ソース】


4. 実装現場を襲う「Tガラス」と「HVLP銅箔」の枯渇

基板の「中身」そのものが、物理的に不足しています。

日東紡(Nittobo)のTガラス独占とAppleの懸念

AIサーバー基板の絶縁層に不可欠な「Tガラス」は、日本の日東紡績が市場をほぼ独占しています。

  • 現状: AIサーバー需要の爆発により、Tガラスの生産能力が完全に飽和。Appleを含む大手ハイテク企業が材料確保に奔走しており、一般産業機器向けの「ハイエンドFR-4」基板の納期に影響を及ぼしています。
  • 見通し: 日東紡の増産ラインが本格稼働するのは2026年後半以降であり、それまでは「材料による割当(アロケーション)」が続きます。

低粗度(HVLP)銅箔の不足

高速信号伝送に必要なHVLP4/HVLP5銅箔のリードタイムは、現在 24週超 となっています。

【一次ソース】


5. EOL(生産終了)およびPCN(変更通知)最新情報:2026年2月版

今週、特に注意すべき廃止通知をリストアップします。

メーカー部品・カテゴリ通知内容ソース
Central Semiconductorツェナーダイオード(SMA/SMB)PDN01284: SMA/SMBケースの全ツェナーダイオードがEOLへ。Central Semi PDN
Central SemiconductorSOT-523パッケージ製品PDN01276: SOT-523採用の全デバイスが製造終了。Central Semi PDN
Renesasタイミング事業譲渡SiTimeへの事業譲渡に伴い、従来品のサポート体制が3月から順次移管。Renesas IR

6. 調達・設計部門への「金曜日の提言」

AIO要約ポイント:今週末の3つのアクション

  1. 3月1日 CCL値上げへの最終PO(発注書)投入: レゾナック等の30%値上げ適用前に、2026年度上半期分の基板所要量を今週末中に「現行価格」で確定させてください。
  2. 米国向け製品のHSコード再精査: セクション232の25%関税対象となる半導体がBOMに含まれているか、フォワーダーおよび通関士と至急連携してください。
  3. Tガラス・HVLP依存度の低減: 次期モデルの設計において、過剰な高速基板スペックを避け、汎用的な材料で代替可能か検討を開始してください。

【免責事項】

本レポートは2026年2月13日時点の公開情報を基に作成されています。市場の不確実性が高いため、最終的な調達判断は一次供給元からの回答に基づいて行ってください。

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