
今朝のニュースは、2月1日の価格改定の余波が収まらぬ中、通商政策による新たなコスト増リスクが確定し、実装現場の計算を根本から狂わせています。
目次
重要:生産終了(EOL)および製品変更通知 (PCN)
大手メーカーが不採算なレガシー部門をかつてない速さで整理しており、代替品のない型番が相次いでリストアップされています。
- ルネサス エレクトロニクス (Renesas) – 新規EOL通知
- 通知番号: PLC250055 (2026/01/01付)
- 対象: センサーシグナルコンディショナ(SSC)IC ZSSC3016, ZSSC3026, ZSSC3036 シリーズおよびその評価ボード等。
- 重要期限: 最終受注日(LTB)2026年6月30日 / 最終出荷日(LTS)2027年6月30日。
- 状況: 高精度なセンサー信号処理に広く使われている製品ですが、代替品が「None」とされているものが多く、他社製への置き換え評価を即座に開始する必要があります。
- 継続監視: 旧Intersil由来のバッテリー管理IC(ISL6258A等)の受注期限は 3月30日 です。
- Central Semiconductor – 汎用パッケージ製品の全面廃止
- 通知 (2026/02/02): SMA および SMB ケースを採用したツェナーダイオード(PDN01283)がEOLとなりました。また、SOD-323 および SOT-523 パッケージ製品も1月付で廃止されています。
- NXP Semiconductors
- 動向: SOIC パッケージ採用製品のEOL整理が進んでおり、一部の旧型ロジックやアナログ製品で最終購入(LTB)の機会が提示されています。
市場在庫の枯渇・供給不足(ショート)情報
AIサーバー特需が、ついに「メモリ・アポカリプス(メモリの終焉)」と呼ばれるほどの供給不足を引き起こしています。
- メモリ (DRAM / NAND) – 納期「58週」と価格「倍増」の衝撃
- 状況: AIサーバー向けのHBM増産により、汎用DRAMのウェハ投入が極端に制限されています。
- 影響: Raspberry Pi は2月2日、メモリコスト増(数四半期で倍増)を理由に、2GB以上の全モデルで再度の値上げを発表しました。DDR4のリードタイムは、一部で 58週(1年以上) に達しています。
- ソース: Raspberry Pi – More memory-driven price rises (Feb 2, 2026)
- パワー半導体 (Infineon)
- 動向: Infineon は、AIデータセンター向け需要の急増を背景に、2026年4月よりパワーICおよびディスクリート製品の価格調整を予告しています。
価格高騰トレンド:実装業界を襲う「25%+30%」の累積コスト
メーカーの値上げに加え、国家間の通商政策がコストを直接的に押し上げています。
- 米国新関税 (Section 232) 発動: 25%の追加課税
- 内容: 2月5日、米国大統領はAI政策に関連する先端半導体および製造装置への 25%の追加関税 を発表しました。
- 影響: 米国市場向け製品を製造している場合、BOM上の対象半導体コストが25%加算されます。これはADIやTIの値上げと重複するため、致命的なコスト増となる恐れがあります。
- Analog Devices (ADI): 2月1日より最大30%の値上げ適用中
- 状況: 商業用(10〜15%増)、軍用グレード(/883等、最大30%増)の新価格での取引が本格化しています。
- パナソニック: POSCAPの15〜30%値上げ
- 内容: 2月1日 出荷分より、導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ(POSCAP)の特定モデルが 15〜30%値上げ されました。
【本日の推奨アクション】
- ルネサス「ZSSCシリーズ」の在庫確認: センサー製品を製造している場合、6月末のLTB期限に向けた所要量算出と代替品探しを即座に開始してください。
- DRAMの「2027年分」予約: 納期が1年を超え、価格が倍増しているため、来年前半の必要量を現時点での価格であっても確保する決断が求められています。
- 米国向け製品の関税リスク精査: 25%の追加関税が適用される部品が含まれていないか、至急物流・税務部門と連携して確認してください。

