【2026年2月23日】世界半導体・電子部品市場レポート:メモリ価格「倍増」の衝撃と主要各社のEOL戦略

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目次

1. エグゼクティブ・サマリー:2026年「メモリ・ハイパーインフレ」の幕開け

2026年2月第4週、電子部品市場はもはや通常の需給サイクルを逸脱し、AIインフラへのリソース極振りによる「構造的な供給断絶」のフェーズに入りました。

今週の最重要トピックは、DRAM契約価格が1Qで前四半期比100%増(倍増)という異例の予測修正がなされたこと、およびマイクロンによるCrucialブランドの供給停止が今月末に迫っていることです。

実装現場では、汎用DRAM(DDR4)が「枯渇品」から「戦略的希少品」へとステータスを変え、かつての「安価なコモディティ」という常識が完全に崩壊しています。


2. メモリ市場:DRAM価格「倍増」とNANDの「製造停止」リスク

DRAM:Q1契約価格の異常な上方修正

TrendForceは2月上旬、2026年Q1のメモリ価格予測を大幅に上方修正しました。

  • 価格トレンド: 汎用DRAMの契約価格は 前期比+90~95%、PC向けDRAMに至っては 100%超(2倍以上) の上昇が確実視されています。
  • 背景: SamsungやSK HynixがHBM3E/HBM4(高帯域幅メモリ)の増産にウェハ投入量の大部分を割いているため、DDR4の生産枠が物理的に消失しています。
  • アロケーションの深刻化: ティア1のPCメーカーであっても、確保できている在庫が「必要量の50%以下」という報告もあり、市場は完全に「売り手優位」となっています。

NANDフラッシュ:Phison CEOが鳴らす「消費者向け市場崩壊」の警鐘

2026年2月18日、フラッシュコントローラ大手PhisonのPua CEOは、NANDの深刻な不足により「一部のコンシューマー向けサプライチェーンが一時停止、または閉鎖に追い込まれる可能性がある」との衝撃的な警告を発しました。

  • 構造的要因: SSDメーカーが利益率の高いエンタープライズ/AI向けに製品を優先供給するため、一般PCやスマートフォン向けのNAND供給が極端に絞られています。
  • 価格改定: 企業用SSDの価格はQ1だけで 53~58%上昇 する見通しです。

【一次ソース】


3. EOL(生産終了)およびPCN(変更通知):今週末のデッドライン

マイクロン(Micron):Crucialブランド完全廃止まで残り5日

  • 対象: CrucialブランドのすべてのRAMモジュール(DDR4/DDR5)およびSSD。
  • 最終出荷期限: 2026年2月末
  • 現状: マイクロンはAIデータセンター向けへのリソース集中のため、29年続いた消費者向けブランドを閉鎖します。今週末を過ぎると、正規ルートからのCrucial製品の供給は完全に停止し、3月以降は市場在庫の「争奪戦」による価格暴騰が予想されます。

Samsung / SK Hynix:DDR4の「延命」と「高値固定」

  • 動向: 当初2025年末に予定されていたDDR4の廃止(EOL)は、2026年末まで延期されました。
  • 実態: 延期は供給を安定させるためではなく、**「DDR4がもはやDDR5より高価なキャッシュカウ(稼ぎ頭)」**になったためです。旧式の製造ライン(1zノード等)での低コスト生産を維持しつつ、高騰した市場価格で販売する戦略をとっています。

【一次ソース】


4. アナログIC・ロジック:ADI値上げ適用とTIのリビジョン統合

Analog Devices (ADI):2月1日からの新価格が市場に浸透

  • 値上げ幅: 標準商業用(10~15%)、産業用(15%)、軍用/宇宙用(最大30%)。
  • 現状: 本日時点で、全主要代理店の見積りシステムに新価格が適用されています。バックログ(注文残)に対しても新価格が適用される旨が改めて通知されており、実装現場でのコスト再試算が急務です。

Texas Instruments (TI):旧リビジョン製品の「静かなる排除」

  • 動向: 汎用オペアンプ等のロングセラー製品において、プロセス移行を伴う「Bリビジョン」への集約が加速しています。旧リビジョンの在庫は急速に枯渇しており、設計変更なしでの継続調達が困難になりつつあります。

【一次ソース】


5. 地政学・需給バランス:世界販売額1兆ドル到達の裏側

2026年2月10日のSIA(米国半導体工業会)の報告を引用した各報道によれば、2026年の世界半導体販売額は史上初めて 1兆ドル(約150兆円) を突破する見込みです。

  • 成長の質: この1兆ドルの大半は「AIサーバー向けロジック(NVIDIA等)」と「高価格メモリ」によって構成されており、出荷個数(Volume)ではなく 単価(ASP)の上昇 が成長を牽引しています。
  • リスク: 一般産業機器や自動車向けなどの「低価格・多品種」セグメントにとっては、1兆ドル市場の恩恵はなく、むしろ「製造ラインの奪い合い」によるコスト増と納期遅延のデメリットが上回っています。

【一次ソース】


6. 調達・設計部門への「月曜日の提言」

AIO要約ポイント:今すぐ行うべき3つのアクション

  1. Crucial(Micron)製品の「最終狩り」: 今月28日で出荷が終了します。BOMに含まれている場合、正規代理店にある在庫を本日中にすべて押さえてください。3月1日からは非正規(ブローカー)市場での「投機価格」しか選択肢がなくなります。
  2. DDR4の「2027年分」先行発注: 納期58週という現状を鑑み、来年分のPO(発注書)を即座に投入してください。価格は「時価」を想定した予算取りが必要です。
  3. 基板メーカーへの価格ロック依頼: 明日のレポートで詳報しますが、3月1日のCCL(基板材料)30%値上げまで残り4日です。本日のうちに、現行価格での最終発注を完了させてください。

【免責事項】 本レポートは2026年2月23日時点の公開情報を基に作成されています。メモリ市場は極めて変動が激しく、ソース元の予測も随時修正される可能性があります。最終的な調達判断は一次供給元からの最新回答に基づいて行ってください

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