
1. エグゼクティブ・サマリー:2Q、メモリ市場は「高値止まり」から「二次高騰」へ
2026年4月第1週を終え、メモリ市場は第1四半期(1Q)の歴史的な価格高騰(前四半期比約100%増)を経て、さらなる第2四半期(2Q)の上昇局面へと完全に突入しました。
土日の市場動向を総括すると、主要メーカー3社(Samsung, SK Hynix, Micron)による「汎用DRAMからHBM(高帯域幅メモリ)へのウェハ転換」が当初の計画を上回る規模で進行。
これにより、実装現場で多用されるDDR4やLPDDR4の供給が物理的に断絶し始めています。
今週の最重要アラートは、2QのDRAM契約価格がさらに「前四半期比25%〜30%上昇」するとの予測が確定し、交渉が最終段階に入ったこと、およびルネサス製汎用リニアICのLTB(最終受注)終了に伴う在庫争奪戦の激化です。
2. メモリ市場:2Q価格確定交渉と土日の需給激震
DRAM:第2四半期(2Q)価格交渉の最終局面と「30%上昇」の現実
TrendForceおよび土日の市場アナリスト報告によると、4月から始まった2QのDRAM契約価格交渉において、メーカー側は極めて強気な姿勢を崩していません。
- 確定トレンド: 2QのDRAM(DDR4/DDR5/LPDDR5)価格は、1Qの歴史的高値からさらに 25%〜30%上昇 する見込みです。
- 供給構造の変化: SK HynixおよびMicronは、AIサーバー特需に対応するため、既存の製造ラインの 80%以上をHBM3E/HBM4に割り当てる 決定を下しました。これにより、PCや産業機器向けの標準DRAM供給量は前年同期比で40%以上減少する計算となります。
- 土日の動向: 香港および深センのスポット市場では、土日の間にDDR4 8GBの取引価格がさらに 5%上昇 しました。これは2Qの値上げを先取りした動きであり、市場在庫のさらなる買い占めが始まっていることを示唆しています。
NANDフラッシュ:エンタープライズSSDの「納期未定」化
NANDフラッシュ市場では、大容量化(200層超の3D NAND)への移行難航と、コントローラICの深刻な不足が土日に改めて報じられました。
- 現状: 企業向けSSD(QLC 16TB/32TB)のリードタイムは 52週(1年) で固定化されています。
- 価格トレンド: 2QのNAND契約価格も前四半期比 20%前後の上昇 が確実視されています。
【一次ソース】
- Memory Contract Prices Projected to Rise Up to 30% in Q2 2026 – TrendForce
- AI Demand Continues to Strain Standard DRAM Supply – Micron Investor Relations
3. EOL(生産終了)およびPCN(変更通知):新年度の実装アラート
ルネサス (Renesas):汎用リニアIC「UPC/REACシリーズ」LTB終了後の混乱
- 内容: 3月30日に最終受注(LTB)が締め切られた UPCシリーズ(オペアンプ、レギュレータ等) について、本日より正規ルートでの新規発注が完全に不可能となりました。
- 土日の動き: 土日の間に、欧米の主要ディストリビュータ(Mouser, DigiKey等)において、UPC4570やUPC29シリーズ等の人気型番の「フリー在庫(即納分)」が急激に減少。本日以降、市場在庫のプレミアム化(価格高騰)が加速します。
マイクロン (Micron):Crucialブランド流通在庫の「消失」
- 現状: 2月末で出荷停止となったCrucialブランドのメモリ製品(DDR4/DDR5)について、土日の間に大手リテールサイトから自社在庫がほぼ完全に消滅しました。
- 市場反応: 現在流通しているのは「サードパーティ(転売品)」のみであり、価格は定価の 250%〜300% に達しています。
【一次ソース】
- End-Of-Life Notice (EOL260002) – Renesas Official
- Micron Crucial Brand Discontinuation: Market Inventory Status Update – MLQ.ai
4. 地政学的リスク:中国CXMTへの制裁実効化と在庫の蒸発
土日の報道によると、米商務省による中国 CXMT(長鑫存儲) への先端装置輸出規制の「解釈拡大」が、実務レベルで浸透し始めました。
- 内容: HBM製造に関連する装置だけでなく、一部の汎用DRAM製造に使用される露光装置のスペアパーツ供給も停止。
- 供給網への影響: これを受け、中国国内の基板実装メーカーは、CXMT製メモリの将来的な供給不安を懸念し、SamsungやSK Hynixといった「非中国ブランド」への切り替えを土日の間に加速させています。
- 結果: この「制裁リスクに伴う需要シフト」が、世界的な汎用DRAMの不足に拍車をかけており、1Q以上の争奪戦を引き起こしています。
【一次ソース】
5. 市場在庫とリードタイム:月曜日版「枯渇警戒リスト」
土日の市場調査において、特に入手性が悪化し、アロケーション(割当)が厳格化された型番群です。
| 部品カテゴリ | 対象メーカー | リードタイム / 状況 |
| DDR4 8GB / 16GB (産業用) | Samsung / SK Hynix | 52週超。新規受注を停止する代理店が続出。 |
| LPDDR4 / LPDDR4X | Micron / Samsung | AIエッジデバイス特需により、1Q比で納期が 8週延伸。 |
| 高耐圧MLCC (1210/1812) | 村田製作所 / TDK | 36週〜42週。AI電源ユニット(800V)向けにリソース集中。 |
| 高速光トランシーバ用IC | Broadcom / Marvell | 40週超。データセンターインフラ向け優先。 |
6. 今すぐ行うべき3つのアクション
- 2Q価格上昇(+30%)を前提とした予算再編: 4月からの新単価適用に向け、BOMコストの再計算を本日中に完了させてください。特にメモリ多用の製品については、顧客への価格転嫁交渉を即座に開始する必要があります。
- ルネサスUPCシリーズの「正規代理店在庫」の最終確保: LTB期限は過ぎましたが、代理店が確保した「フリー在庫」はまだ極少量存在します。本日午前中に在庫確認と確保を最終プッシュしてください。
- CXMT採用製品の「リスクアセスメント」: 自社製品または外注基板にCXMT製メモリが含まれている場合、制裁による供給停止リスクを評価し、Samsung/Micron等への代替認定を今週中に指示してください。
【免責事項】
本レポートは2026年4月6日時点の公開情報を基に作成されています。
メモリ市場はAI投資と地政学的な要因により、数日単位で需給が激変します。
最終的な判断はメーカー公式通知および一次代理店からの最新回答に基づいて行ってください。

