【12/23 基板実装トレンド】電気代削減と歩留まり向上。基板実装ドットコム最新ニュース

1. 【材料】DNPが「ガラスコア基板」ライン稼働。次世代実装への備え

  • ニュース概要: 大日本印刷(DNP)が次世代パッケージ用ガラス基板のパイロットラインを稼働。2026年の量産を目指す。
  • 現場視点の解説:「ついにガラスコアが現実味を帯びてきました。これまでFR-4で苦労していた『熱による基板の反り』の問題を、素材そのもので解決しようという動きです。中小工場としては、今すぐこれに取り組む必要はありませんが、『従来の工法では太刀打ちできない高密度基板が主流になる』という未来予測は重要。数年後、今のマウンターの精度で足りるのか?という視点で設備の更新計画を立てる時期に来ています。」

2. 【コスト】リフローの電気代を削る「低温はんだ」と熱プロセスの最適化

  • ニュース概要: 最新のSMT007誌より、省エネ型はんだ付けプロセスによる製造コスト削減の手法。
  • 現場視点の解説:「今、全国の工場を回っていて一番聞く悩みは『電気代』です。リフロー炉は工場の電力の塊。ここで注目すべきは低温はんだ(LTS)です。設定温度を30〜50度下げるだけで、月々の電気代が目に見えて変わります。ただし、濡れ性の確保やボイド対策など、現場のノウハウが不可欠。導入コストを恐れるより、『電気代という固定費を技術で削る』という攻めの姿勢が、今の利益率改善には最も即効性があります。」

3. 【装置】AIによる「虚報」削減。検査工程を「コスト」から「利益」へ

  • ニュース概要: ASMPTやViTroxなど、AIを用いた自動外観検査(AOI)の精度向上と省人化。
  • 現場視点の解説:「AOIを入れても、結局『虚報(実際は良品なのに不良と判定)』の再確認に人を割いていませんか? それでは自動化の意味が半分です。最新のAI検査は、この再確認作業を劇的に減らしてくれます。『検査員を1人減らせれば、年間数百万円の利益が出る』。この計算ができる経営者なら、装置のアップグレードや最新ソフトへの投資は、高い買い物ではなく、確実なコストダウン投資だと気づくはずです。」

4. 【戦略】ロームがインド大手と提携。世界的な供給網の変化とチャンス

  • ニュース概要: ROHMがインドのTata Electronicsと提携。車載パワー半導体の安定供給を目指す。
  • 現場視点の解説:「メーカーが中国だけでなくインドやメキシコに目を向けるのは、リスク分散の極みです。私たち中小工場にとっても、これは他人事ではありません。『部品が手に入らない』というリスクをどう回避するか。 私は500社のネットワークを見てきましたが、生き残る工場は代替品の提案力が異常に高い。特定のメーカーに固執せず、グローバルな供給網の動きを掴んでおくことが、顧客からの信頼(=継続的な発注)に繋がります。」

まとめ

今の時代、ただ実装しているだけでは価格競争に巻き込まれます。

「最新技術を使って、いかに顧客のコストを削る提案ができるか」

基板実装ドットコムでは、こうした「現場でしかわからないコストダウンの知恵」をこれからも発信していきます。

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