

1. 【装置・自動化】SiemensがSMTライン向け「自律型プロセス制御」を強化
- ニュース概要: Siemensがマウンターや印刷機のデータを一括管理し、AIがリアルタイムで補正を行う自律型システムの新機能を発表。
- 現場視点の解説:「ついに『人間が調整しないライン』が現実味を帯びてきました。今まではベテランが経験でやっていた印刷の微調整を、AIがSPI(はんだ印刷検査)の結果を見て自動で行う。人手不足の解消は『求人』ではなく『自動化の深度を上げること』で解決する。 この流れは、これからの10年で中小企業の二極化(自動化できた所と、人手に頼り倒産する所)を加速させるでしょう。」
- URL: https://www.siemens.com/global/en/products/automation/topic-areas/electronic-manufacturing/smt.html
2. 【EMS・市場】Foxconnがベトナムに8,000万ドルの追加投資。マザーボード生産を拡大
- ニュース概要: 大手EMSのFoxconnがベトナム・バクザン省の工場を拡張。PC・サーバー向けマザーボードの実装能力を大幅に引き上げる。
- 現場視点の解説:「世界の実装の巨人がベトナムにこれだけの投資をするということは、『アジアの実装拠点としてのベトナムの地位』が今後5〜10年は揺るがないというメッセージです。国内の工場は、これらメガEMSがやらない『超多品種少量』や『超短納期』に特化するか、あるいは彼らと連携して海外生産の窓口になるような立ち回りが求められます。」
- URL: https://www.reuters.com/business/ (※Foxconn Vietnam最新投資ニュース)
3. 【半導体・部品】ルネサスがSiCパワー半導体の量産ラインを稼働。高効率EV市場へ
- ニュース概要: ルネサス エレクトロニクスが甲府工場でパワー半導体の量産を開始。EV(電気自動車)のインバーター向け需要に対応。
- 現場視点の解説:「パワー半導体の実装は、通常のSMTとは熱設計が全く異なります。SiC半導体が普及すれば、必然的に『高放熱基板』や『高耐熱はんだ』の需要が増える。今からこれらの特殊実装に対応できる準備をしておけば、高単価な車載・産機案件を独占できるチャンスです。材料費は高いですが、その分加工賃も確保しやすい分野です。」
- URL: https://www.renesas.com/jp/ja/about/press-room/news
4. 【材料・PCB】5G/6G通信用「液晶ポリマー(LCP)」基板の低コスト製造技術が開発
- ニュース概要: 日本の材料メーカーが、これまで加工が難しく高価だったLCP基板を、既存のFR-4ラインに近い工程で製造できる技術を発表。
- 現場視点のプロ解説:「高周波特性に優れたLCP基板が安くなれば、通信機器の実装案件が爆発的に増えます。LCPは熱膨張率のコントロールが難しいですが、『既存のラインで流せる』という点がミソ。中小工場でも特殊設備なしで次世代通信基板を扱えるようになる日が近いです。ニュースで新素材の名前を覚えるだけでなく、その『扱いやすさ』に注目してください。」
- URL: https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/ctcd/121 (※電子材料セクション参照)
本日の国内外・注目URLリスト
- SMT007: Inspection Technologies: Moving Toward Full Autonomy in SMT Assembly
- EE Times: Power Semi Market: SiC Production Ramps Up to Meet EV Demand
- PR TIMES: 次世代通信向け高周波基板の低コスト量産技術に関するプレスリリース
- Business Wire: EMS Industry Outlook 2026: Investment Surges in Southeast Asia
まとめ:現場歴35年の結論
ニュースを見ていると「大手ばかりの話」に見えるかもしれませんが、実は「大手が進んでいる方向に、中小企業向けのビジネスチャンスが落ちている」のです。
例えば、Foxconnがベトナムへ行くなら、日本国内で「小回りのきく試作」の価値は上がります。
AIが進むなら、古い機械を使いこなす「職人技のデータ化」に価値が出ます。
「基板実装ドットコム」は、こうした逆張りの視点も大切にしながら、来年も情報をお届けします。



