
AIサーバー、高速スイッチ、通信機器、高性能半導体の拡大によって、「PCBの高多層化」という言葉を目にする機会が増えました。ここから材料メーカーや商社が考えたくなるのが、「PCBの層数が増えるなら、結局何が一番売れるのか」という問いです。
最初に結論を言えば、PCB多層化の恩恵を受けるのはCCLだけではありません。銅箔、プリプレグ、ガラスクロス、樹脂、穴加工用工具、デスミア薬品、銅めっき薬品まで需要は広がります。ただし、すべてが同じ理由で増えるわけではありません。
ここを理解するためには、「層数が増えること」「信号速度が上がること」「ビアが微細・高密度になること」を分けて考える必要があります。
僕はPCB材料を見るとき、この3つを同じ「高性能化」という言葉でまとめない方がよいと考えています。なぜなら、層数増加なら材料使用量が直接増える部材がありますが、高速化では使用量よりも材料グレードが上昇し、HDI化では材料そのものより加工工具や薬品への負荷が増えるからです。
つまり、「PCB市場が伸びるか」だけを追っても、材料メーカーの営業先は見えてきません。重要なのは、そのPCBの仕様がどの方向へ変わっているかです。
PCB多層化で「売れる材料」は一つではない
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はじめてのBCP対応セット 記入例付き
多層PCBは、銅配線層と絶縁層を積み重ね、層間をスルーホールやビアで接続した構造です。
例えば単純化すると、4層、8層、16層、さらに高多層へ進むほど、内部に形成する導体層と絶縁層が増えます。そのため、銅箔やプリプレグなどは比較的分かりやすく需要増加につながります。
一方で、AIサーバーや高速ネットワーク機器では、単純に層数が増えるだけではありません。信号速度の上昇に対応するため、低誘電率・低誘電正接の材料や、表面粗さを抑えた銅箔が必要になります。
パナソニック インダストリーのMEGTRONシリーズを見ると、この変化が分かりやすいでしょう。MEGTRON Mはサーバーやルーターなど高速・大容量伝送向け、MEGTRON 8はさらに高速な通信ネットワーク機器向けの超低伝送損失多層基板材料として展開されています。MEGTRON 8について同社は、MEGTRON 7と比較して伝送損失を約30%改善すると説明しています。
つまりPCB多層化市場では、二つの変化が同時進行します。
一つは、層が増えることで材料の使用枚数・面積が増える「数量効果」です。
もう一つは、高速化によって汎用品から低損失材料へ置き換わる「材料グレード効果」です。
さらにHDI化が進むと、穴加工や銅めっきという製造工程側にも需要が波及します。
この3つを分けて見ることが、本記事の出発点です。
層数が増えると数量が増えやすいのは銅箔・プリプレグ・CCL
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多層化で最も分かりやすく需要が増えるのは、基板を構成する材料です。
既存の基板実装.comの記事でも、多層基板はコア材、プリプレグ、銅箔を組み合わせて構成し、積層後に穴あけとめっきを行う構造として説明しています。
銅箔
層数が増えるということは、基本的には導体層が増えることを意味します。そのためPCB用銅箔は、多層化の直接的な恩恵を受けやすい材料の一つです。
ただし、営業上は「銅箔なら何でも同じように伸びる」と考えない方がよいでしょう。
高速伝送PCBでは、銅表面の凹凸による導体損失が問題になります。そのため、通常の銅箔より表面粗さを抑えたロープロファイル銅箔の重要性が高くなります。
JX金属はリジッド基板向けとしてロープロファイル電解銅箔を展開し、HLP-IIをHDI基板やモジュール基板向けのファインライン形成に適した製品として紹介しています。三井金属も高速信号用電解銅箔やVLPシリーズ、キャリア付き極薄銅箔を展開しています。
ここから分かるのは、PCB多層化による銅箔市場は、「銅の使用量が増える」という数量の話だけではないということです。
AIサーバー、高速スイッチ、高周波機器へ進むほど、
表面粗さ
箔厚
ファインライン対応
樹脂との接着性
高周波伝送損失
といった仕様が製品選定を左右します。
したがって銅箔メーカーや関連商社が追うべきなのは、PCBメーカーの総生産枚数だけではありません。「どの材料グレードへ切り替えているか」を見る必要があります。
プリプレグ・ガラスクロス
多層PCBでは、各層を接着し絶縁するためにプリプレグが使用されます。プリプレグは一般に、ガラスクロスへ熱硬化性樹脂を含浸させ、半硬化状態にした材料です。
層数が増えれば、スタックアップによって必要となるプリプレグ層も増えます。そのため数量面では多層化の恩恵を受けやすい材料です。
一方で、高性能PCBではガラスクロスそのものの要求性能も上がります。
日東紡績は、プリント配線板向けとして低誘電特性を持つNEガラス、低熱膨張のTガラス、極薄ガラスクロスを展開しています。同社によるとNEガラスの誘電率は1GHzの実測例で4.8、従来Eガラスは6.8、誘電正接はNEガラス0.0015に対しEガラス0.0035です。また極薄クロスは高密度PCB向けとして、レーザーとドリルの微小径穴加工性も訴求されています。
これは非常に重要です。
「多層化=ガラスクロスの枚数が増える」というだけなら量の話ですが、高速通信まで加わると、Eガラスから低誘電ガラスへの移行という質の変化まで起こります。
日東紡は電子材料事業の重点施策としてスペシャルガラスの増産投資を掲げており、AIや次世代通信を背景に低誘電・低熱膨張ガラスへの需要拡大を見込んでいます。2025年には福島事業センターのガラスクロス生産能力増強も決定し、2026年度第4四半期の生産開始を予定しています。
この動きからも、PCBの高性能化を考えるとき、ガラスクロスは単なる基材ではなく重要なボトルネック材料になっていることが分かります。
CCL
CCLは銅箔、樹脂、ガラスクロスなどを組み合わせたPCBの基礎材料です。そのため多層化、高速化、低損失化という複数の変化を一つの製品として受け止める位置にあります。
ただしCCL市場を見る場合も、「PCBが増えるからCCLが増える」という読み方だけでは不十分です。
高速通信機器では低Dk・低Df、高耐熱、高信頼性といった性能要求が加わります。パナソニックのMEGTRON 6は低誘電ガラスクロスを使用した仕様を持ち、HDI性能も訴求しています。レゾナックの低伝送損失材料でも、独自樹脂系、低誘電ガラスクロス、平滑な銅箔を組み合わせることで損失低減を図っています。
したがってCCLメーカーを見るときには、出荷面積だけではなく、
汎用FR-4
高Tg
低損失
超低損失
高周波
HDI対応
のどこへ製品ミックスが移っているかを見る方が、営業機会を判断しやすくなります。
高速化すると付加価値が上がるのは低損失材料
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ここからが、多層化の記事で見落とされやすい部分です。
PCBの層数が増えるだけなら、材料使用量の増加を考えればよいでしょう。しかしAIサーバーや高速ネットワーク機器では、層数増加と同時に信号速度も上がっています。
この場合、求められるのは「もっと多くの材料」だけではありません。「もっと損失の小さい材料」への置き換えです。
低誘電・低損失ガラスクロス
高速伝送では誘電損失を下げることが重要になるため、ガラスクロスも低誘電率・低誘電正接化が求められます。
日東紡のNEガラスはまさにその用途で、同社は高速・大容量通信を支えるネットワーク機器や高速処理パッケージ向けの材料として位置づけています。さらに800GbEなど高速通信への対応を念頭にNERガラスの生産・出荷も開始しています。
ここでは「PCB枚数」より、「通信速度がどこまで上がるか」が需要を決めます。
材料営業でAIサーバー案件を見る場合も、単に「サーバー向け基板」と聞くだけでは不足です。バックプレーンなのか、スイッチなのか、マザーボードなのか、どの伝送速度帯なのかまで確認した方が、材料の要求水準を判断しやすくなります。
低損失樹脂
樹脂も同じです。
高速伝送PCBでは、従来のエポキシ材料だけで要求性能を満たせない領域が広がっています。低誘電率・低誘電正接に加え、耐熱性、低吸湿性、加工性との両立が必要になります。
DICは高速通信向けに低誘電材料を展開しており、活性エステル系硬化剤によって、誘電特性と耐熱性の両立を図る技術を紹介しています。またAI、5G、6G向けとして低誘電マレイミド樹脂なども展開しています。
つまり樹脂市場で狙うべきなのは、単なる「エポキシ樹脂需要の増加」ではありません。
低Dk
低Df
低吸湿
高Tg
低CTE
高耐熱
加工性
など、複数特性を満たす高付加価値樹脂の比率が上がる可能性を見る必要があります。
ロープロファイル銅箔
銅箔も高速化によって価値が変わります。
高周波になるほど表皮効果の影響が強くなり、信号電流は導体表面付近を流れます。そのため銅表面が粗いと伝送損失が大きくなりやすく、平滑性を高めた銅箔の価値が上がります。
レゾナックも低伝送損失材料の設計で平滑な銅箔を組み合わせていることを説明しており、パナソニックのMEGTRONシリーズでも低損失材料とH-VLP銅箔の組み合わせが示されています。
したがって高速PCBでは、「銅箔使用量が何トン増えるか」だけを見るより、「通常箔からVLP・HVLP系へどれだけ製品ミックスが移るか」を見る方が重要になります。
これはPCB多層化市場を見る上での一つ目の盲点です。
数量増より、材料グレードの上昇の方が事業インパクトを大きくする場合があります。
HDI・高密度化で需要が増えるドリル・レーザー・めっき薬品
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PCB多層化の恩恵は材料だけで終わりません。
各層を電気的につなぐ必要があるため、穴加工、デスミア、無電解銅、電解銅めっきという工程が必要になります。
ここで需要が発生するのが、PCBドリル、レーザー加工、前処理薬品、銅めっき薬品です。
PCBドリル
多層PCBではスルーホールやビアを形成するために穴加工が必要です。
ユニオンツールはPCB材料別の加工条件を公開しており、「High multilayer PCB」として10層以上の高多層基板向けドリル条件を用意しています。2026年にはPCBドリルを含むPCB工具全般について価格改定も発表しました。
ただし、「PCBの層数が2倍になればドリル需要も2倍になる」と考えるのは正確ではありません。
穴数は設計によって変わりますし、HDIでは機械ドリルではなくレーザー加工へ移行する領域もあります。逆に厚板・高多層基板では小径で深い穴を加工する必要が生じ、工具寿命、穴位置精度、バリ、スミア、加工条件の管理が厳しくなります。
したがって工具メーカーにとって重要なのはPCB枚数より、
板厚
層数
穴径
アスペクト比
穴数
基材の種類
です。
この6項目を見る方が、実際のドリル需要に近づけます。
デスミア
穴を開けた後には、ドリルやレーザー加工によって樹脂残渣、いわゆるスミアが発生します。
これを残したまま銅めっきを行うと、内層との接続信頼性に影響するためデスミア工程が必要です。
奥野製薬工業は多層プリント配線板製造プロセスとして、穴あけ後のデスミア、無電解銅めっき、電気銅めっきまで一連の工程を示しています。デスミアは単なる洗浄ではなく、樹脂残渣を除去すると同時に樹脂内壁を粗化し、後工程の銅めっき密着性を確保する役割があります。
ここから分かるのは、多層化・高密度化が進むほど、「穴を開ける装置」だけを見るのでは不十分だということです。
穴加工
↓
スミア除去
↓
触媒処理
↓
無電解銅
↓
電解銅
までを一つの需要として見た方が、材料・薬品メーカーの営業先を探しやすくなります。
無電解銅・電解銅めっき
多層PCBでは、穴の内壁に銅を形成し各層を導通させる必要があります。
特に基板が厚くなり、穴径が小さくなると、スルーホールのアスペクト比が高くなります。そこで問題になるのが、穴の奥まで均一に銅を析出させられるかです。
奥野製薬工業は、高アスペクト比スルーホール向けの硫酸銅めっき添加剤やビアフィリング向け薬品を展開しています。同社は小径化に伴う高アスペクト化を背景として、スローイングパワーの向上が求められていると説明しています。
したがってPCB多層化市場では、めっき薬品も非常に興味深い位置にあります。
銅箔やCCLのように完成品から見えやすい材料ではありませんが、PCB構造が難しくなるほど工程品質を支える薬品の要求水準が上がります。
これは二つ目の見落としやすい商機です。
PCB市場を材料BOMだけで見ると、工程薬品の需要を見落とします。
材料別に見る「多層化の恩恵度」
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ここまでを整理すると、材料ごとに恩恵を受ける条件が異なります。
| 材料・製品 | 層数増加 | 高速化 | HDI・微細化 | 主な需要ドライバー |
|---|---|---|---|---|
| CCL | 大 | 大 | 中 | PCB生産量、層数、高速材料への移行 |
| プリプレグ | 大 | 大 | 中 | 積層数、薄型化、低損失化 |
| 銅箔 | 大 | 大 | 大 | 導体層数、VLP/HVLP、極薄化 |
| ガラスクロス | 大 | 大 | 大 | 積層数、低Dk、低CTE、薄型化 |
| 低損失樹脂 | 中 | 大 | 中 | 高速伝送、耐熱、低吸湿 |
| PCBドリル | 中 | 小 | 大 | 穴数、小径、高アスペクト、板厚 |
| レーザー加工 | 小 | 小 | 大 | マイクロビア、HDI |
| デスミア薬品 | 中 | 小 | 大 | 穴加工量、微細ビア |
| 銅めっき薬品 | 中 | 小 | 大 | スルーホール、ビアフィル、高アスペクト |
この表から見えるのは、「PCB多層化銘柄」のようにすべてを一括りにしてはいけないということです。
例えばガラスクロスは、層数増加、高速化、薄型化の複数方向から恩恵を受ける可能性があります。一方、PCBドリルは高速伝送そのものより穴構造の複雑化が重要です。
めっき薬品についても、基板枚数よりビア構造の変化を見る必要があります。
僕がこの市場を見るなら、「何層になるか」に加えて、「何Gbpsになるか」「どんなビアを使うか」を必ず分けて確認します。
これが三つ目の独自視点です。
PCBのスペックシートで層数だけを見るより、伝送速度とビア構造まで見る方が、材料需要をかなり正確に読めるからです。
営業で確認すべきはPCB枚数より仕様変更
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材料メーカーや商社がPCB案件を営業対象として見る場合、「年間何枚作るのか」はもちろん重要です。
しかし高付加価値材料では、それだけでは十分ではありません。
むしろ以下のような仕様変更を早期に確認する方が営業機会につながります。
例えば、従来8層だった基板が16層になる場合、銅箔やプリプレグの需要構造が変わります。
同じ16層でも、従来のFR-4から低損失材料へ変更されるなら、樹脂、ガラスクロス、銅箔のグレードが変わります。
さらにスルーホール中心からHDI・マイクロビアへ移るなら、レーザー加工やビアフィルめっき薬品への需要が変化します。
つまり営業で聞くべきなのは、
「PCBは何枚作りますか」
だけではなく、
「次期モデルで層数は変わりますか」
「伝送速度は上がりますか」
「CCLグレードは変わりますか」
「銅箔指定はありますか」
「ビア構造は変わりますか」
「板厚と最小穴径はいくつですか」
という質問です。
この情報が取れれば、自社製品の需要が増える案件なのか、従来材料のまま数量だけ増える案件なのかを分けられます。
そして営業上さらに重要なのは、量産開始時点ではなく材料選定段階を見ることです。
CCL、ガラスクロス、樹脂、銅箔などは、製品設計が固まってから簡単に変更できる材料ではありません。電気特性や信頼性、加工条件にも影響するため、採用評価は量産より前に始まります。
材料営業では「工場が量産を始めた」というニュースを待つより、次世代基板、通信速度変更、新プラットフォーム、設備増強、材料認定といった前段階の情報を追う方が営業タイミングとして有利です。
PCB多層化で今後ボトルネックになりやすい材料
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では、今回取り上げた材料の中で、特に注目すべきものは何でしょうか。
公開情報から見る限り、僕は「単純に使用量が多い材料」より、「代替しにくく、要求特性が上がっている材料」を優先して見るべきだと考えています。
代表例が高機能ガラスクロスです。
日東紡はAI、次世代通信を背景にスペシャルガラスの需要拡大へ対応するため増産投資を進めています。これは、需要が単なる汎用ガラス量の増加ではなく、低誘電・低CTEなど特定性能を持つ材料へ向かっていることを示します。
次にロープロファイル銅箔です。
高速信号では表面粗さが伝送損失へ影響するため、VLP・HVLPなど高性能箔の重要性が高まります。これは銅価格そのものとは別の技術競争です。
さらに低損失樹脂があります。
PCB材料の性能は、ガラスクロスだけでも銅箔だけでも決まりません。樹脂、ガラスクロス、銅箔を組み合わせて初めてCCLとして要求性能を満たします。
実際、筆者が公開している「中国プリント基板・CCL産業 完全分析2026」でも、日本企業が守るべき領域として高性能銅箔、特殊樹脂系、低誘電ガラスクロスなどを挙げています。
この観点から見ると、PCB多層化で最も面白い市場は「枚数が増える材料」と「代替困難な高機能材料」が重なる領域です。
例えば特殊ガラスクロスは、積層数増加による数量効果と高速化によるグレード効果の両方を受ける可能性があります。
一方、ドリルやめっき薬品は材料そのものの数量ではなく、PCB加工難易度上昇の恩恵を受けます。
ここを分けて市場を見ると、「PCBが伸びるから全部伸びる」という曖昧な分析から抜け出せます。
PCB・CCL市場を企業単位まで調べるには
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PCB多層化の商機を実際の営業につなげるには、材料の種類を理解するだけでは足りません。
最終的には、
どのPCBメーカーが高多層へ投資しているのか
どのCCLメーカーが高速材料へ能力を振り向けているのか
どの材料グレードが採用されているのか
銅箔・ガラスクロス・樹脂の供給企業はどこか
増産設備がいつ立ち上がるのか
中国・台湾・日本でサプライチェーンがどう違うのか
まで追う必要があります。
基板実装.comを運営する製造業サプライチェーン研究所では、この部分を「中国プリント基板・CCL産業 完全分析2026」で整理しています。
同レポートでは、PCB・CCL主要30社超、M2〜M10の材料グレード、銅箔・ガラスクロス・樹脂、企業別の増産計画、材料供給制約、日本企業への影響などをまとめています。
今回の記事が「PCB多層化で、どこに材料需要が発生するのか」を理解するための記事だとすれば、レポートは「その材料を、誰が作り、誰が買い、どこで能力が増えるのか」を企業単位まで追うための資料です。
PCB・CCL・電子材料の営業や調達に使う場合は、材料名だけでなく企業・グレード・生産能力までつなげて見ると、市場の見え方が大きく変わります。
8.FAQ
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基本的には増加要因になります。導体層が増えるためですが、高速PCBでは数量だけでなくVLP・HVLPなど低粗度銅箔へのグレードアップにも注目する必要があります。JX金属や三井金属もロープロファイル・高速信号向け銅箔を展開しています。
PCB多層化でガラスクロスが重要なのはなぜですか?
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ガラスクロスはプリプレグやCCLの骨格となり、絶縁性、寸法安定性、誘電特性などに影響するためです。高速通信では通常のEガラスだけでなく、低誘電ガラスや低CTEガラスの重要性が高まります。
PCB多層化で樹脂需要も増えますか?
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増加要因になりますが、より重要なのは高性能樹脂への移行です。高速PCBでは低Dk・低Df、耐熱、低吸湿などを両立する樹脂系が求められるため、単純な樹脂使用量より材料グレードの変化を見る必要があります。
高多層PCBになるとドリル需要は増えますか?
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穴数、小径化、板厚、高アスペクト化によって増加する可能性があります。ただしHDIではレーザービアへ移行する場合もあるため、「層数」とドリル需要は必ずしも比例しません。ユニオンツールも10層以上の高多層PCB向け加工条件を設定しています。
多層PCBでめっき薬品が必要なのはなぜですか?
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スルーホールやビアの内壁に銅を形成して、異なる導体層を電気的に接続するためです。高アスペクト化やビアフィルでは、均一な析出や穴埋め性能を持つ専用添加剤の重要性が高まります。
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低損失CCL、低誘電ガラスクロス、低損失樹脂、低粗度銅箔などが重要になります。AIサーバーでは単なる多層化だけでなく高速伝送要求が高まるため、材料の量と性能の両方が変化します。
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PCBメーカーの生産枚数だけでなく、層数、板厚、CCLグレード、伝送速度、銅箔仕様、最小穴径、ビア構造、設備増強計画まで確認する方が有効です。仕様変更が分かれば、どの材料・工具・薬品の需要が増えるかを判断しやすくなります。
9.まとめ
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PCB多層化で売れる材料を考えるとき、「CCL需要が増える」というところで止めてしまうと、市場の半分しか見えません。
確認すべきなのは、まずPCBの層数です。層数が増えれば、銅箔、プリプレグ、ガラスクロス、CCLなどの材料需要が増えやすくなります。
次に見るのが伝送速度です。高速化すれば、低誘電ガラス、低損失樹脂、ロープロファイル銅箔などへ材料グレードが上がります。
そして最後にビア構造を確認します。HDI、小径スルーホール、高アスペクト化が進めば、ドリル、レーザー、デスミア、無電解銅、電解銅めっき薬品など工程側の商機が大きくなります。
つまり営業判断で見るべきなのは、
「PCB市場が成長しているか」
ではなく、
「層数が上がるのか」
「信号速度が上がるのか」
「穴が小さく深くなるのか」
の3点です。
この3つを分けて考えると、自社材料が本当に恩恵を受ける案件なのかをかなり絞り込めます。
PCB・CCL市場をさらに企業、材料グレード、上流材料、増産計画まで追いたい場合は、「中国プリント基板・CCL産業 完全分析2026」も参考になります。PCB多層化という技術変化を、「誰に何を売るか」という営業情報へつなげる際に使える資料です。










