
取引先から突然、Excelファイルが届きます。
ファイル名を見ると、
CMRT。
EMRT。
聞き慣れない担当者であれば、ここから最初の混乱が始まります。
「どこを記入すればいいのか」
「営業だけで回答してよいのか」
「仕入先にも聞かなければいけないのか」
「以前もらったCMRTを使っていいのか」
「回答が来ない仕入先はどうすればいいのか」
「どこまで調べれば提出してよいのか」
こうした疑問が次々に出てきます。
しかし、CMRT・EMRT対応を実際の業務として考えると、難しいのはExcelのセルを埋めることだけではありません。
本当に難しいのは、
顧客から何を求められたのか。
どの製品が対象なのか。
どの仕入先へ確認するのか。
どの回答を採用したのか。
その回答は対象製品に適用できるのか。
何が確認済みで、何がまだ不明なのか。
誰が内容を確認したのか。
誰が提出を承認したのか。
顧客へ実際に何を送ったのか。
ここまでをつなげることです。
そこで今回、
「取引先からCMRT・EMRTが届いた会社へ|はじめての責任ある鉱物調査対応セット」
を作成しました。
単なるCMRTの記入マニュアルではありません。
顧客から依頼を受けてから、仕入先へ調査し、回答を確認し、根拠を整理し、社内承認を経て顧客へ提出するまでを管理するための実務セットです。

CMRT・EMRT対応で最初にやること
CMRTやEMRTが届いたとき、最初にやるべきことは原票を埋め始めることではありません。
まず、今回の依頼条件を固定します。
最低限確認したいのは、
原票の種類。
対象製品。
回答範囲。
対象鉱物。
対象期間。
提出期限と提出方法。
この6点です。
理由は単純です。
対象範囲が決まっていない状態では、どの仕入先へ何を聞くべきかも決まりません。
例えば顧客からCMRTが届いたとしても、
会社全体について回答するのか。
特定製品だけなのか。
特定拠点なのか。
特定期間の納入品なのか。
これによって必要な調査が変わります。
同じ顧客からCMRTとEMRTを同時に依頼された場合も、今回の管理セットでは案件を分ける考え方にしています。
対象鉱物と提出原票が違うためです。
最初に原票を埋めるのではなく、
「今回の調査範囲を説明できる状態にする」
ことが第一段階です。
CMRT・EMRT・AMRTの違い
CMRT、EMRT、AMRTはいずれもResponsible Minerals Initiative、RMIが提供している標準化されたMineral Reporting Templateです。
RMIは、鉱物の原産国や製錬所・精製所などのサプライチェーン情報をやり取りするため、これらのテンプレートを無料で提供しています。責任ある鉱物イニシアチブ
公式情報はこちらです。
Responsible Minerals Initiative「MRT Introduction」
CMRT
CMRTはConflict Minerals Reporting Templateです。
対象は、
錫 Tin
タンタル Tantalum
タングステン Tungsten
金 Gold
の4鉱物です。
これらは頭文字などから3TGと呼ばれます。責任ある鉱物イニシアチブ
公式ページ:
EMRT
EMRTはExtended Minerals Reporting Templateです。
現在RMIが示している対象鉱物は、
コバルト
銅
天然黒鉛
リチウム
天然マイカ
ニッケル
です。責任ある鉱物イニシアチブ
ここで注意したいのが「天然」という区分です。
例えば黒鉛という名称だけを見て、天然黒鉛だと推測して回答するのではなく、材料仕様や上流からの説明で確認する必要があります。
公式ページ:
AMRT
AMRTはAdditional Minerals Reporting Templateです。
CMRTとEMRTに含まれていない鉱物について、利用者が対象を設定する仕組みです。責任ある鉱物イニシアチブ
今回のセットでもAMRT案件を受付し、仕入先調査や課題管理を行える構成にしています。
ただし、AMRT固有の公式回答ファイルや設問解説を同梱しているわけではありません。

CMRT・EMRTで本当に難しいのは「情報をつなぐこと」

CMRTやEMRTについて調べると、どうしても、
「このセルには何を書くのか」
「この質問はYesかNoか」
という話になりがちです。
もちろん原票への入力は必要です。
ただ、実務でより厄介なのは、その回答の手前にある情報管理です。
「受領した」と「採用した」は同じではない
仕入先からCMRTが返ってきたとします。
これで調査完了ではありません。
受領した回答が、
今回依頼した品番に対応しているのか。
対象期間が合っているのか。
必要な鉱物が含まれているのか。
会社全体の回答なのか。
製品別の回答なのか。
こうした確認が必要です。
さらに訂正版が届けば、
最初のファイル。
訂正版。
再訂正版。
と複数ファイルが残る可能性があります。
「どれを今回の調査に使用したのか」
を記録していなければ、数か月後には分からなくなる可能性があります。
そのため今回の台帳では、
受領したこと。
採用する回答を選んだこと。
内容を確認したこと。
顧客へ提出したこと。
を別々に管理します。
ここは非常に重要です。
会社全体回答と製品別回答を同じ扱いにしない
例えば自社が仕入先へ、
「P-001という部品についてCMRTをお願いします」
と依頼したとします。
ところが返ってきたCMRTの回答範囲が会社全体だった場合です。
会社全体の回答だから間違い、とは限りません。
一方で、
その回答に記載された施設情報がP-001に関係していると自動的に断定できるわけでもありません。
この場合、
その会社全体回答を対象品番へ適用できるのか。
施設情報のうちどこまで製品と関連付けられるのか。
顧客が会社全体回答を受け入れるのか。
を確認する必要があります。
今回の記入例では、あえてこうした「完全に終わっていない案件」も収録しています。
全部がOKになった理想的な完成例だけでは、実際の調査業務を練習しにくいからです。
未回答は「不使用」ではない
CMRT・EMRTで特に注意したいのがここです。
仕入先から回答が来ない。
これは、
未回答です。
回答がないから、
「対象鉱物を使用していない」
ことにはなりません。
同様に、
資料から確認できない。
これは、
不明です。
分からないことを理由にNoへ置き換えることもできません。
今回のセットでは、
未回答。
不明。
不使用確認済。
対象外根拠確認。
受領済み。
採用。
といった状態を分けて管理します。
曖昧な状態を無理に二択へ変換しないためです。
施設国と鉱物の原産国も別の情報
製錬所や精製所の確認でも、似た情報を混同しないことが重要です。
施設が所在する国。
鉱物が採掘された国。
施設の識別番号。
RMIの参照一覧との照合結果。
評価状態。
これらは別々の情報です。
今回のExcelには「08_製錬所等照合」というシートを用意し、
施設名。
CID等の施設識別子。
施設所在国。
参照一覧との照合。
公開情報の状態表記。
参照URL。
照合日。
製品との関連。
不明点。
次の対応。
などを分けて管理できるようにしています。
RMIの施設情報は公式のFacilities Listsで確認できます。
Responsible Minerals Initiative「Facilities Lists」
そこで「はじめてのCMRT・EMRT対応セット」を作りました
今回作成したセットの目的は、
CMRTやEMRTそのものを置き換えることではありません。
顧客から受け取った公式原票へ回答するまでの社内実務を整理することです。
ここは購入前に明確にしておきたいところです。
このセットには、
RMI公式のCMRT原票。
RMI公式のEMRT原票。
RMI公式のAMRT原票。
RMI公式設問や選択肢の複製。
製錬所マスター。
は収録していません。
公式原票は、顧客から指定されたファイル、またはRMI公式サイトから取得したものを使用します。
RMIではテンプレートの改訂も行われるため、実際の回答にはその時点で指定された公式原票を確認することが重要です。
2026年には4月17日に機能変更を伴うMRTが公開され、その後8月19日には機能的に同一のロゴなし版も公開されています。責任ある鉱物イニシアチブ
つまり、
公式原票はRMI。
自社の調査運用は今回のセット。
と役割を分けています。
実際に何が入っているのか
今回のZIPには合計12ファイルを収録しています。
「04_提出前確認」は同じ内容をWordとPDFの2形式で用意しています。
00_最初に読む.pdf
3ページです。
まず何を開けばよいか。
空欄版と記入例をどう分けるか。
顧客へ何を提出するのか。
を最初に確認するための案内です。
完全な初心者なら、まずこのファイルから始めます。
01_初心者向け説明.pdf
23ページです。
CMRT・EMRTの言葉だけを説明する資料ではありません。
顧客依頼の受付。
回答範囲。
対象鉱物。
製品と仕入先の対応。
依頼。
受領。
内容確認。
根拠確認。
原票記入。
承認。
提出。
という業務全体を順番に説明しています。
02_調査運用台帳.xlsx
今回のセットの中心になるExcelです。
18シートで構成しています。
主なシートは、
顧客依頼受付。
対象製品一覧。
製品仕入先対応。
仕入先調査管理。
回答受領管理。
CMRT・EMRT回答確認。
鉱物別根拠。
製錬所等照合。
製品別回答管理。
回答改訂記録。
課題と顧客連絡。
提出前確認。
集計。
入力項目ガイド。
チェック項目ガイド。
用語と公式リンク。
選択肢。
などです。
各入力台帳は200行を想定しています。
マクロや外部データ接続は使用していません。
入力欄と計算欄を色で分け、期限や受領状況などを管理できる構成にしています。
ただし、計算結果が自動的に「CMRT回答は正しい」と判定する仕組みではありません。
Excelはあくまで社内管理を補助するものです。
03_メール文例と社内記録.docx
CMRT・EMRTでは、原票の入力より仕入先や顧客との確認に時間がかかることがあります。
そこで8種類のメール文例を用意しました。
仕入先への調査依頼。
未回答の催促。
期限超過後の再依頼。
受領回答の不備・範囲確認。
顧客への調査範囲確認。
顧客への正式回答。
未確認事項や期限の相談。
提出済み回答の訂正・差替え。
さらに社内用として、
回答内容確認・照会記録。
顧客提出の承認記録。
鉱物別の調査母数・回答数整理。
の3書式を収録しています。
文章をそのまま送るのではなく、自社の事実や案件条件に変更して使用するための文例です。
04_提出前確認.docx / PDF
4ページです。
顧客へ原票を送る前に、
依頼条件。
回答範囲。
対象品番。
対象期間。
対象鉱物。
採用した回答。
鉱物根拠。
施設情報。
不明点。
自社の方針。
公式原票のチェック。
添付資料。
共有範囲。
社内承認。
送信後の保存。
を確認するための書式です。
Wordで記録したい会社向けと、印刷して確認したい会社向けに2形式を収録しています。
05_記入例_調査運用台帳.xlsx
空欄のExcelだけを渡されても、
「結局、何を書けばよいのか」
となる可能性があります。
そこで空欄版と同じ構成の台帳に、3案件の架空例を入れました。
完成済み案件だけではありません。
会社全体回答の品番適用を確認中の案件。
EMRTで天然区分の不足や未回答が残っている案件。
根拠確認と承認を終え提出まで進んだ案件。
といった複数の状態を入れています。
06_記入例_メールと社内記録.docx
03の文例について、架空案件に沿った記入例を収録しています。
メール文だけでなく、
なぜその確認が必要なのか。
何を記録するのか。
どこを未確認として残すのか。
まで読めるようにしています。
07_記入例と練習ガイド.pdf
11ページです。
このファイルは、初めて担当する方に特に見てほしい資料です。
例えば、
REQ-C01。
P-001。
SV-C01。
ANS-C02。
EV-001。
CHK-001。
PA-001。
といった管理番号が、どの台帳とつながっているのかを練習できます。
さらに、
会社全体回答を受領した場合。
別品番の回答が届いた場合。
仕入先が未回答の場合。
天然黒鉛かどうか不明な場合。
期限を超過した場合。
などを問題形式で確認できるようにしています。
08_業種別の進め方.pdf
5ページです。
同じCMRT・EMRTでも、会社の立場によって調査経路は変わります。
そこで、
製造業。
商社。
EMS・加工会社。
材料供給会社。
の4つに分けています。
09_利用条件.txt
社内での利用。
顧客・仕入先等への提出。
第三者への再配布。
記入例の扱い。
公式原票との関係。
などを整理しています。
README.txt
収録ファイル全体の一覧です。
どのファイルから開けばよいか迷ったときの入口として使えます。

特に重要なのが18シートの調査運用台帳
このセットで中心になるのはExcelです。
理由は、CMRT・EMRT対応は複数の情報が時間差で集まる仕事だからです。
例えば1件の案件でも、
顧客依頼。
対象製品。
仕入先。
仕入先への調査。
受領回答。
確認結果。
鉱物ごとの根拠。
施設情報。
製品別回答。
課題。
承認。
提出。
という記録が発生します。
これを1枚のExcelへ横長に並べると、すぐに管理しにくくなります。
そこで今回のExcelでは、情報を分けながらIDで関連付けます。
例えば、
REQ-001は顧客依頼。
P-001は製品。
SV-001は仕入先調査。
ANS-001は受領回答。
EV-001は鉱物ごとの根拠。
というように整理します。
重要なのは、
「この回答ファイルは、どの仕入先への、どの調査依頼に対する回答なのか」
を後から追えることです。
担当者の記憶に頼らないようにします。
仕入先への依頼から顧客提出までどう使うのか
実際に初めて1件を処理するときは、次の流れで進めます。
1. 顧客依頼を整理する
まず顧客から届いたメールと原票を確認します。
CMRTかEMRTか。
対象製品は何か。
対象期間はいつか。
対象鉱物は何か。
回答期限はいつか。
を顧客依頼受付へ登録します。
分からない項目は推測しません。
顧客へ確認します。
2. 対象製品と仕入先を結ぶ
次に対象製品について、
購入部品。
購入材料。
外注工程。
仕入先。
を確認します。
例えば製造業なら、BOMだけではなく、表面処理や加工工程も確認対象になる場合があります。
3. 仕入先へ依頼する
対象が決まったら仕入先へ依頼します。
ここで、
対象品番。
対象鉱物。
対象期間。
回答範囲。
希望期限。
を具体的に伝えます。
「CMRTお願いします」
だけでは、仕入先側も何について回答すればよいか分からない場合があります。
4. 回答を受領して保存する
仕入先から返ってきたファイルは、まず受領原本として保存します。
すぐに上書きしないことが重要です。
訂正版が来た場合も別回答として記録します。
旧版を消してしまうと、変更経緯を追えなくなるからです。
5. 内容と根拠を確認する
受領したら、
範囲。
対象品番。
期間。
鉱物。
回答間の整合。
施設情報。
不明点。
などを確認します。
必要なら仕入先へ再照会します。
ここでも、
受領したこと。
内容確認が終わったこと。
は別です。
6. 自社の公式原票へ反映する
確認できた事実を基に、自社が顧客へ提出する公式原票を作成します。
このセットのExcelが原票回答を自動決定するわけではありません。
受領した公式原票の設問、選択肢、条件分岐を確認して記入します。
7. 承認して提出する
最後に、
提出する原票。
不明点の説明。
補足資料。
共有範囲。
承認部署。
を確認します。
社内台帳を丸ごと顧客へ送る必要はありません。
仕入先から受け取った原本についても、共有条件を確認します。
顧客が求めた資料と、合意した補足資料を選んで提出します。
製造業・商社・EMS・材料メーカーでは調査経路が違う
この違いもCMRT・EMRT対応では重要です。
製造業
製造業では、
完成品。
購入部品。
購入材料。
外注工程。
表面処理。
などを見ていきます。
BOMだけ確認して終わらないケースがあることに注意が必要です。
商社
商社は自社で製造していなくても、
自社販売品番。
製造元品番。
直接仕入先。
製造元。
という経路があります。
「うちは商社なので鉱物調査は関係ありません」
と即断するのではなく、顧客が求める情報と、自社が確認できる上流情報を整理する必要があります。
EMS・加工会社
EMSでは、
顧客支給材。
自社購入材。
外注加工。
を分けて考えます。
支給材だから自動的に調査対象外になるわけではありません。
誰が上流情報を確認するのかを顧客と整理することが重要です。
材料供給会社
材料メーカーや材料商社では、
グレード。
製造元。
天然・合成などの材料区分。
対象ロットや期間。
上流供給先。
などが重要になります。
似た材料名だけを理由に別グレードの回答を流用しないことも重要です。
このセットが自動で判断しないこと
ここは商品説明として明確にしておきます。
今回のセットは、
RMI公式テンプレートではありません。
RMI認定商品でもありません。
法令適合を自動判定するものでもありません。
顧客による回答受理を保証するものでもありません。
鉱物が責任ある調達品であることを認証するものでもありません。
公式原票の回答を自動決定するものでもありません。
あくまで、
「自社で何を確認し、どの根拠を使用し、何が未確認で、誰が承認し、何を提出したのか」
を整理するための社内実務セットです。
責任ある鉱物調達そのものについては、OECDも鉱物サプライチェーンのリスクを特定・評価し、対応していくデューデリジェンスの考え方を示しています。OECD
OECD「Responsible mineral supply chains」
テンプレートへ回答すること自体と、責任ある鉱物調達のデューデリジェンス全体は同じではありません。
ここを分けて考える必要があります。
どんな会社に向いているか
このセットが特に向いているのは、
初めてCMRT・EMRTを依頼された会社。
専任担当者がいない会社。
Excelだけ届いて何から始めればよいか分からない会社。
営業・購買・品質・技術で情報が分散している会社。
仕入先への依頼履歴を残していない会社。
会社全体回答と製品別回答の扱いに迷っている会社。
訂正版や旧版の管理ができていない会社。
未回答や不明点の管理を担当者のメールだけに頼っている会社。
提出前の確認方法が決まっていない会社。
です。
逆に、
既にCMRT・EMRTを社内システムで一元管理し、独自の回答フロー、承認フロー、仕入先管理、証拠管理まで構築している企業であれば、必要性は低いかもしれません。
今回のセットは、
「初めての1件を、何を確認すればよいか分からない状態から進める」
ことに重点を置いています。
FAQ
CMRTとEMRTの違いは何ですか?
CMRTは錫、タンタル、タングステン、金の3TGを対象とするテンプレートです。
EMRTはコバルト、銅、天然黒鉛、リチウム、天然マイカ、ニッケルを対象としています。責任ある鉱物イニシアチブ
実際の回答時には、顧客から指定された原票とRMI公式情報を確認してください。
CMRTはRMIへ提出するのですか?
通常、完成したMRTをRMIへ提出するものではありません。
RMIのFAQでも、RMIはMRTを収集しておらず、完成したMRTは顧客へ提供すると説明しています。MERV
仕入先から会社全体のCMRTが届きました。そのまま顧客へ使えますか?
会社全体回答だから自動的に使用不可とは限りません。
ただし、対象品番や対象期間への適用、施設情報との関係、顧客が求める回答範囲を確認する必要があります。
「ファイルを受領した」ことと「対象製品の回答根拠として使用できる」ことは分けて判断します。
仕入先から回答が来ません。不使用として回答してよいですか?
回答が来ていない状態は未回答です。
不使用を確認できた状態とは異なります。
未回答先については催促し、確認状況と次回確認予定を記録します。
過去にもらったCMRTを使えますか?
自動的に使用できるとは限りません。
対象期間、対象品番、回答範囲、有効性、顧客要求などを確認する必要があります。
今回の台帳では、受領回答ごとに回答IDを付け、どの版を採用したのかを管理します。
このセットにRMI公式CMRT・EMRTは入っていますか?
入っていません。
公式原票、公式設問の複製、製錬所マスターは同梱していません。
顧客指定の原票、またはRMI公式サイトから入手した原票を使用してください。
個人情報は収録されていますか?
空欄版に実在する個人名、住所、個人連絡先などの個人データは収録していません。
記入例に登場する会社、品番、管理番号、日付、保存場所、調査結果なども架空です。
記入例は実際の調査結果や証拠として使用するものではありません。
まとめ
CMRT・EMRT対応で本当に難しいのは、Excelのセルを埋めることではありません。
顧客の依頼条件を整理する。
対象製品と仕入先を結ぶ。
仕入先へ調査する。
回答を受領する。
対象製品へ適用できるか確認する。
鉱物ごとの根拠を整理する。
不明点を残す。
必要なら再照会する。
公式原票を作成する。
社内で確認・承認する。
顧客へ必要な資料だけ提出する。
そして、
「なぜこの回答になったのか」
を後から追えるようにすることです。
今回作成した「取引先からCMRT・EMRTが届いた会社へ|はじめての責任ある鉱物調査対応セット」は、この一連の流れを初めての担当者でも1件ずつ進められるようにするための実務書式です。
公式CMRTやEMRTを置き換える商品ではありません。
公式原票へ正しく回答するために、自社側の受付、調査、根拠、照会、承認、提出を整理するためのセットです。
CMRT・EMRTが届くたびに、
「前回は誰がやった?」
「どの仕入先へ聞いた?」
「このCMRTはどの製品のもの?」
「なぜこの回答を使った?」
と過去のメールを探している会社であれば、まず調査業務そのものを台帳化するところから始める価値があります。
それが、今回このセットを作った理由です。




















