
熊本県菊陽町では台湾TSMCの子会社JASMの工場が量産を続け、北海道千歳市ではラピダスが2ナノメートル世代の半導体量産に挑んでいる。
かつて「半導体不況」という言葉とともに縮小が語られてきた日本の半導体産業は、2020年代半ば以降、目に見える形で投資を積み増している。
しかし「日本の半導体工場が実際にどこにあるのか」を体系的に把握できている人は、業界関係者でも意外と少ない。
本記事では、北海道から九州まで、地域別に主要な半導体工場と、そこで何が作られているのかを整理する。
投資判断の材料を探している人にも、転職先の候補地を検討している人にも、地元にどんな企業が来ているのか知りたい人にも、実務で使える一覧として役立つはずだ。
なぜ今、日本の半導体工場に注目が集まっているのか
経済安全保障政策が生産拠点の国内回帰を後押ししている
日本国内で半導体工場の新設・増設が相次いでいる背景には、単なる企業の投資判断だけでなく、国家戦略としての後押しがある。
2022年12月、政府は経済安全保障推進法に基づき、半導体を特定重要物資に指定した。
これにより従来型半導体や、製造装置・部素材・原料といったサプライチェーン全体の国内生産能力を強化する枠組みが整った。
詳細は経済産業省の解説ページで確認できる。
TSMC熊本工場やラピダス、キオクシア、マイクロンといった大型プロジェクトには、いずれも数百億円から数千億円規模の補助金が投じられている。
2026年度からは、半導体工場向けの補助金にサイバー攻撃対策を条件とする方針も打ち出されており、経済安全保障の観点は年々強化されている。
補助金頼みの投資に見えるかもしれない。
しかし実務レベルで見ると、政府支援があるからこそ、民間だけでは踏み切れなかった数千億円規模の設備投資が現実のものになっている、という受け止め方のほうが実態に近い。
世界の半導体生産能力の中で日本はどの位置にいるのか
日本の半導体生産能力は、世界全体の約15%を占め、台湾(約21%)に次ぐ規模を維持しているという調査がある。
これは市場調査会社Knometa Researchによる2021年末時点の集計だ。
この数字にはTSMCやマイクロンといった外資系企業の国内工場も含まれている。
つまり日本単独の技術力というより、日本という立地そのものが選ばれ続けているという事実の表れでもある。
水資源が豊富で、既存の部品・材料サプライヤーが厚みを持って存在していること。
地味だが実務上は極めて重要なこうした条件がそろっている地域が、日本には複数ある。
【北海道】ラピダスが挑む2ナノメートル世代のロジック半導体

千歳工場(IIM-1)で進む試作から量産への移行
北海道千歳市では、2022年に設立されたラピダスが、2ナノメートル世代の最先端ロジック半導体の量産を目指して工場建設を進めている。
千歳の第1製造棟「IIM-1」では、2025年にGAA(ゲート・オール・アラウンド)トランジスタの試作と動作確認が行われた。
プロセス移植の最難関とされる段階を越えたと報じられている。
後工程についても動きがある。
隣接するセイコーエプソン千歳事業所内にパイロットラインを2026年4月に立ち上げる計画で、600mm角のガラスパネルを使った世界初のパッケージング実証も予定されている。
顧客としてはカナダの半導体設計企業テンストレントがすでに確保されている。
これに加えて60社以上が商談中、10社が見積もり済みという段階にあると伝えられている。
2027年度後半の量産開始に向けた課題
ラピダスは2027年度後半の2ナノメートル量産開始を目標に掲げている。
月産6,000枚から1年で25,000枚への拡大を目指す計画だ。
政府はこれまでに研究開発予算として最大9,200億円の支援を決定している。
2025年11月には追加で1兆円規模の支援も決まった。
ただし、量産移行で最大の壁となるのが歩留まり(良品率)だ。
6〜7割以上という目標水準の達成は「簡単な世界ではない」と、ラピダス幹部自身が明言している。
工場が建つことと、試作品ができることと、量産で利益を出せることの間には、依然として大きな距離がある。
この点を見落として「北海道に最先端工場ができた」というニュースだけで投資や採用の判断をするのは早計だろう。
【東北】メモリと車載半導体が支えるもう一つの拠点
キオクシア北上工場 NAND型フラッシュメモリの生産拠点
岩手県北上市には、キオクシアのNAND型フラッシュメモリ工場がある。
2025年9月、当初予定より前倒しで第2製造棟が稼働した。
記憶素子を218層積層した最先端の「第8世代」BiCS FLASHの量産がここで始まっている。
北上工場の従業員数は約2,400人だ。
能力増強に合わせて2026年、2027年は毎年100人規模の新規採用を計画している。
三重県の四日市工場と合わせ、2029年までに約7,300億円を投じる計画で、経済産業省が最大2,430億円を補助する。
AIデータセンター向けの需要拡大を見据えた投資であり、フル稼働すれば北上工場の生産能力はほぼ倍増する見通しだ。
CMOSイメージセンサーとパワー半導体を支える企業群
宮城県には、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの多賀城テクノロジーセンターがある。
同じ宮城県には、ラピスセミコンダクタの宮城工場もある。
宮城から山形にかけては、ソニーグループのCMOSイメージセンサー関連拠点が広がっている。
東北地方が国内のイメージセンサー生産を側面から支える構図になっている。
福島県会津地区には、米onsemi(オン・セミコンダクター)の国内前工程拠点である会津工場がある。
1984年に富士通若松工場として建設された歴史ある施設で、アナログIC、パワーFET、フラッシュメモリなどを生産している。
EV向けパワー半導体の増産に対応した拡張が、現在も進められている。
【関東】ロジックとパワー半導体、明暗が分かれる二つの工場
ルネサス那珂工場 国内ロジック半導体の中核拠点
茨城県ひたちなか市のルネサスエレクトロニクス那珂工場は、同社の主力ロジック半導体を製造する中核的な製造拠点だ。
車載向けマイコンなどを中心に、県内の電子部品・EMS産業との連携も深く、地域のサプライチェーンを支えている。
神奈川県厚木市には、ソニーセミコンダクタソリューションズの本社機能がある。
CMOSイメージセンサーの研究開発拠点として、量産を担う長崎・熊本の工場群を技術面から支える役割を持つ。
高崎工場の閉鎖という現実から見えるもの
一方で、群馬県高崎市のルネサス高崎工場については、2026年7月31日、段階的に生産を終了したうえで閉鎖する方針が発表された。
同工場は1970年に日立製作所が開設した歴史ある半導体工場だ。
6インチウエハーラインを中心に、パワー半導体の前工程を担ってきた。
もともとはEV向けを見込んだSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の生産ラインを導入する計画もあった。
しかしEV市場の想定外の減速と、中国メーカーによる増産・値下げ攻勢を背景に、2025年5月時点でSiCの量産計画そのものが断念されていた。
半導体業界では6インチウエハーに対応する生産材料の供給や、製造装置の保守サポートの終了が進んでいる。
老朽化した設備を維持し続けること自体が難しくなっていたという事情もある。
なお同一敷地内の研究開発機能については、データセンターや車載向けのアナログIC・パワー半導体分野に注力する形で、維持・強化される方針だ。
「日本の半導体工場は右肩上がりで拡大している」という単純な物語だけでは、こうした閉鎖の動きを説明できない。
先端ロジックやAI関連メモリには巨額投資が集中する一方で、既存の汎用パワー半導体は中国勢との価格競争にさらされている。
採算が合わなくなった拠点は縮小・撤退が進む。
これが2026年時点における日本の半導体産業の、もう一つの実態だ。
【中部】メモリとAIサーバー基板を支える製造拠点
キオクシア・ウエスタンデジタル四日市工場 世界最大級のNANDフラッシュ拠点
三重県四日市市のキオクシア四日市工場は、米ウエスタンデジタルとの合弁生産体制のもと稼働している。
世界最大級のNAND型フラッシュメモリ生産拠点のひとつだ。
北上工場と合わせて、2029年までに先端3D NANDフラッシュメモリへの設備投資を進めている。
経済産業省の補助対象にもなっている計画だ。
2026年には、当初計画から1年以上前倒しして増産を進め、2029年の稼働を目指す方針も報じられている。
イビデン岐阜大野事業場 AIサーバーを支えるパッケージ基板
岐阜県揖斐郡大野町にあるイビデンの大野事業場は、2025年10月に量産を開始した。
ICパッケージ基板の新たな生産拠点で、敷地面積は約15万平方メートルと同社最大規模を誇る。
生成AIサーバー向けの高機能パッケージ基板を中心に生産している。
NVIDIAのAI半導体は、TSMCがチップを製造したあと、イビデンなどが手がけるABF基板の上に実装される構造になっている。
AI半導体の性能拡大がそのままイビデンへの需要拡大に直結する関係にある。
同社は2026年から2028年度にかけて約5,000億円を追加投資する計画を示している。
AIサーバー向け基板の生産能力を、2024年比で2.5倍に引き上げる方針だ。
詳細はイビデン株式会社の発表で確認できる。
石川県能美市 車載パワー半導体の増産拠点
石川県能美市の加賀東芝エレクトロニクスでは、300mmウエハーに対応したパワー半導体の新製造棟の建設が進められている。
車載向けパワー半導体の生産能力を、2021年度比で2.5倍に引き上げる計画だ。
【近畿】電子部品と回路材料を支える老舗企業群
ローム京都本社 SiCパワー半導体で世界をリードする
京都市右京区に本社を置くロームは、EVや再生可能エネルギー分野で欠かせないSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体の分野で、国内メーカーの中でも先駆的な存在だ。
宮崎県宮崎市、福岡県筑後市に加え、宮崎県国富町にも約40万平方メートルという国内最大規模のSiC工場用地を確保している。
会社概要はローム株式会社の公式サイトで公開されている。
ただし、本格的な量産立ち上げは当初計画よりずれ込んでおり、実際にフル稼働に至るまでには一定の時間がかかる見通しだ。
華々しい投資発表の裏側で、量産の立ち上げには想定以上の時間がかかる。
これはSiCという新しい材料を扱う工場に共通する傾向であり、投資判断をする際には発表時点のスケジュールを鵜呑みにしない姿勢が欠かせない。
2026年には、ローム、東芝、三菱電機の3社がパワー半導体事業の統合協議を始めたとも報じられている。
実現すれば合算シェアで世界2位規模になる可能性がある。
個々の企業が単独で戦うのではなく、日本勢が連携して規模を確保しようとする動きが、パワー半導体分野で顕著になってきている。
京セラ・村田製作所 滋賀に集積するセラミック部品拠点
滋賀県には、京セラの滋賀東近江工場(旧蒲生工場・八日市工場を統合)や滋賀野洲工場がある。
同じ滋賀県には、村田製作所の八日市事業所もある。
半導体パッケージや電子部品に使うセラミック材料・部品の生産拠点が、この地域に集積している。
半導体そのものではなく、半導体を保護し実装するためのセラミックパッケージや積層コンデンサといった部材を担う企業群だ。
最終製品としての半導体チップの陰に隠れがちだが、供給が止まれば完成品も作れなくなる。
サプライチェーン上の重要度は極めて高いと言える。
兵庫県 パワー半導体のウエハー加工・後工程拠点
兵庫県姫路市の東芝姫路工場では、パワー半導体や小信号デバイスといったディスクリート半導体の後工程を担っている。
車載向けパワー半導体の生産能力を、2022年度比で200%以上に引き上げる投資が進められている。
兵庫県伊丹市には三菱電機の北伊丹工場があり、熊本のマザー工場と連携してウエハープロセスの一部を担っている。
【中国】マイクロン広島工場 日本で唯一のDRAM生産拠点
広島県東広島市のマイクロン広島工場は、日本国内で唯一DRAMを製造している拠点だ。
2026年7月4日、AI向け次世代メモリHBM4と最先端DRAMの量産体制を整えるための新しいクリーンルームが起工された。
投資額は総額約1兆5,000億円にのぼる。
経済産業省が最大5,360億円を補助する計画だ。
新棟への製造装置の搬入は2028年後半を予定している。
それまでは建屋の建設と造成が中心の期間になる。
マイクロン日本法人の担当者は、世界の半導体市場に占めるメモリの割合について言及している。
2004年ごろの約10%から、2026年には50%を超える見通しになったと説明しており、AIの計算力を支える上でメモリの重要性が急速に高まっていることがうかがえる。
広島工場は開発と生産を同一拠点で行っている点が特徴だ。
マイクロンの中でも次世代製品開発を担う戦略拠点として位置づけられている。
広島県福山市には三菱電機の福山工場もあり、熊本のSiCパワー半導体マザー工場と連携するウエハープロセス拠点となっている。
【九州】シリコンアイランド復権の最前線
TSMC熊本工場(JASM) 日本の半導体投資を象徴する存在
熊本県菊陽町のJASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)第1工場は、2024年12月に量産を開始した。
出資比率はTSMCが約86.5%、ソニーセミコンダクタソリューションズが約6.0%、デンソーが約5.5%、トヨタ自動車が約2.0%となっている。
詳しい出資構成はトヨタ自動車の公式発表に記載されている。
第1工場は2026年1〜3月期に初めて黒字化を達成したと報じられている。
稼働開始からおよそ1年強で採算ラインに乗った計算だ。
第2工場は2025年に本体工事が始まった。
報道によれば投資額は約139億米ドル規模で、日本政府は最大7,320億円を補助する方針だ。
2026年2月には、第2工場で3ナノメートルプロセスの半導体を生産する計画が明らかになっている。
実現すれば日本国内で最先端クラスの微細化プロセスが稼働することになる。
両工場合わせた月間生産能力は、300mmウエハー換算で10万枚以上を見込んでいる。
雇用創出は2工場合計で3,400人以上、熊本県全体では10年間で約10,700人の経済効果が見込まれているという試算もある。
出資関係の背景はジェトロのビジネス短信でも確認できる。
ソニー・三菱電機・ローム・SUMCO 九州に集積する企業群
熊本県合志市には、ソニーセミコンダクタソリューションズがイメージセンサーの新工場を建設中だ。
主力生産拠点である長崎県諫早市の長崎テクノロジーセンターでは、22〜28ナノメートルという先端プロセスの導入も進んでいる。
三菱電機は熊本県菊池市に、8インチウエハーに対応したSiCパワー半導体の新工場棟を建設した。
当初計画から前倒しして2025年11月に稼働を開始している。
同社は福岡市にもパワー半導体モジュールの組み立て・検査を担う新工場棟を建設した。
2026年10月の本格稼働を予定しており、開発から量産までを九州で一貫して行う体制を整えつつある。
宮崎県では、ラピスセミコンダクタの宮崎第二工場でも動きがある。
2026年4月からSiCラインの本格量産が始まっている。
シリコンウエハー国内最大手のSUMCOは、佐賀県伊万里市の久原工場・長浜工場を主力拠点としている。
宮崎工場のウエハー生産を2026年末に終了し、伊万里に集約する再編を進めている。
佐賀県吉野ヶ里町・伊万里市への新工場計画も存在する。
ただし半導体市況の悪化や需要動向を見極める必要から、着工時期は当初計画より後ろ倒しになる可能性が報じられている。
九州がシリコンアイランドと呼ばれる背景には、長い歴史がある。
1967年に三菱電機熊本事業所が九州初のIC工場として稼働して以来、半世紀以上にわたって蓄積されてきた製造ノウハウと人材の厚みがその土台だ。
TSMCという巨大な磁石が一つ現れたことで、周辺企業の投資判断が一気に加速したというのが実情に近い。
熊本の有効求人倍率は2026年5月時点で1.15倍まで上昇しており、人手不足という副作用も同時に進んでいる点は見落とせない。
地域別に見えてくる日本半導体産業の構造的な特徴
ここまで見てきた地域別の分布から、いくつかの構造的な特徴が浮かび上がる。
第一に、先端ロジック半導体は北海道と熊本に、AI関連メモリは東北・中部・中国地方に、パワー半導体は関東・中部・近畿・九州に分散しているという役割分担だ。
一つの地域にすべての機能が集中しているわけではない。
工程や製品カテゴリーごとに得意な地域が形成されている。
第二に、二極化が進んでいるという点だ。
TSMCや熊本のように国と地域が一体となって投資を呼び込んでいる地域がある一方で、ルネサス高崎工場のように既存拠点の縮小・閉鎖が進む地域もある。
華やかな新設のニュースだけを追っていると、この二極化を見落としやすい。
第三に、外資系企業の存在感の大きさだ。
TSMCやマイクロンのような外資系企業の国内投資が、日本の生産能力全体を押し上げている構図がある。
日本単独の技術力の話ではなく、日本という立地環境と、政府の補助金政策が組み合わさった結果として、現在の投資ラッシュが起きているという理解が実態に近いだろう。
投資先や就職先として工場を検討する場合には、発表時点の投資額や稼働予定時期だけを見るのでは不十分だ。
その工場が担う工程が、先端ロジックなのか、それとも競争が激しい汎用パワー半導体なのか。
親会社の事業戦略の中でどう位置づけられているのかまで確認することをおすすめしたい。
なお四国地方については、本記事で紹介したような大規模な前工程・後工程の生産拠点は現時点で目立たない。
半導体そのものよりも、電子部品や関連素材を手がける中小の事業所が中心となっている。
これも「日本全体に均等に投資が広がっているわけではない」という、地域別に見たときならではの気づきのひとつだ。
よくある質問
日本で半導体工場が最も集中している都道府県はどこですか
熊本県が代表的な集積地だ。
TSMCの子会社JASMに加え、ソニーセミコンダクタソリューションズ、三菱電機など複数の大手企業が生産拠点を構えており、九州は「シリコンアイランド」と呼ばれている。
TSMCはなぜ熊本を選んだのですか
ソニーセミコンダクタソリューションズや三菱電機など、既存の半導体関連企業の集積があったこと。
豊富な水資源があったこと。
そしてデンソーやトヨタ自動車といった顧客企業との連携が見込めたことなどが背景にあるとされている。
出資構成にもソニー、デンソー、トヨタが名を連ねている点から、単なる工場誘致ではなく、自動車・電機産業のサプライチェーン戦略として位置づけられていることがわかる。
ラピダスの2ナノメートル半導体はいつから量産されますか
2027年度後半の量産開始が目標として掲げられている。
ただし歩留まり改善という技術的な課題が残っている。
目標通りに進むかどうかは、今後の発表を継続的に確認する必要がある。
日本の半導体自給率はどのくらいですか
生産能力ベースで見ると、日本は世界全体の約15%を占め、台湾に次ぐ規模を維持しているという調査結果がある。
ただしこれはTSMCやマイクロンなど外資系企業の国内工場も含んだ数字だ。
日本企業だけの技術力を示す数字ではない点に注意が必要だ。
半導体工場の求人や転職市場は活発になっていますか
TSMC熊本工場やキオクシア北上工場のように、増産に合わせて数百人単位の新規採用を計画している工場は複数ある。
一方でルネサス高崎工場のように、閉鎖に向けて生産を縮小している拠点もある。
地域や企業によって雇用動向は大きく異なる。
検討する際には、その工場が担う製品や工程が、成長分野に位置づけられているかどうかを確認することが実務上の判断材料になる。
工場の最新情報はどこで確認すればよいですか
投資額や稼働時期は、市況や需要動向によって前倒しにも後ろ倒しにもなりやすい。
本記事で紹介した数字も、あくまで執筆時点の報道・発表に基づくものだ。
最も確実なのは、各社のプレスリリースや決算説明資料、経済産業省の半導体政策ページなど、一次情報を定期的に確認することだ。
新聞記事やまとめサイトだけで判断せず、企業の公式発表まで遡って確認する習慣をつけておくと、発表と実態のズレに早く気づける。
まとめ
日本の半導体工場は、北海道の最先端ロジック開発から、東北・中部・中国地方のメモリ生産、関東・近畿・九州のパワー半導体まで、地域ごとに明確な役割分担を持ちながら広がっている。
TSMC熊本工場やラピダス、マイクロン広島工場のように国家プロジェクトとして扱われる大型投資がある。
その一方で、ルネサス高崎工場のように既存拠点の縮小が同時に進んでいるのが、2026年時点の実態だ。
一つのニュースだけを見て「日本の半導体産業は復活した」あるいは「厳しい状況が続いている」と結論づけるのは早計だ。
地域別・工程別に整理した上で、それぞれの工場が置かれている状況を継続的に確認していくこと。
それが投資でも就職でもビジネス機会の発見でも、確かな判断につながるはずだ。














