CO2排出量の回答で何を用意する?中小企業向けScope1・2・3「計算・証拠・顧客回答」実務セット

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取引先から突然、

「御社のCO2排出量を回答してください」

「Scope1、Scope2、Scope3を教えてください」

「購入している製品に関する排出量データを提出してください」

と言われたら、最初に困るのは「何を計算すればいいのか」だと思います。

しかし、実際に回答業務を整理していくと、計算そのものより難しい部分があります。

それは、

「どの範囲について、どの資料を根拠に、どの方法で計算し、どこまで確認できた数値なのかを説明できるようにすること」

です。

そこで今回、CO2排出量の回答を初めて担当する中小企業向けに、

「はじめてのCO2・Scope3回答セット」

を作りました。

Excelで数値を計算するだけではありません。

顧客からの要求確認。

電気・燃料の入力。

排出係数の管理。

Scope3の15カテゴリ確認。

仕入先へのデータ依頼。

未算定時の回答。

顧客への回答書。

提出前確認。

提出後の履歴管理。

ここまでを一つの流れとして整理できるようにしています。

この記事では、このセットの中身を紹介しながら、取引先からCO2排出量を求められたときに何から始めればよいのかを説明します。

▶取引先からCO2排出量を聞かれた会社へ|はじめてのScope1・2・3回答セット【Excel・Word・記入例17ファイル】

目次
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取引先から「CO2排出量を回答してください」と言われたら最初に確認すること

最初にやるべきことは、Excelを開くことではありません。

相手が何を求めているのかを確認することです。

「CO2排出量をお願いします」という一文だけでは、実は計算条件が決まりません。

会社全体なのか。

特定工場なのか。

特定製品なのか。

対象期間はいつなのか。

Scope1だけなのか。

Scope1とScope2なのか。

Scope3までなのか。

CO2だけなのか。

CO2eとして複数の温室効果ガスまで含めるのか。

電気について特定の算定方法が指定されているのか。

ここが分からない状態で計算を始めると、後からやり直しになりやすくなります。

いきなり計算を始めない

例えば、取引先から、

「2025年度のCO2排出量を教えてください」

と依頼されたとします。

一見すると単純です。

しかし、

2025年度とは2025年4月から2026年3月なのか。

暦年なのか。

国内全拠点なのか。

納入製品を作っている工場だけなのか。

Scope1・2だけなのか。

Scope3まで必要なのか。

ここを確認しなければ、数字を作っても相手の要求と一致しない可能性があります。

そのため、本セットでは最初から「顧客回答履歴」という管理項目を用意しています。

要求期間。

Scope。

単位。

算定方式。

提出期限。

対象範囲。

こうした条件を記録してから計算へ進みます。

CO2回答で重要なのは、

「数字を出すこと」

ではなく、

「何を求められた数字なのかを固定してから算定すること」

です。

会社全体の排出量なのか、製品別なのかを確認する

特に注意したいのが、組織の排出量と製品の排出量の違いです。

会社全体のScope1・2を求められている場合と、

「当社が購入しているこの部品の排出量を教えてください」

という場合では、必要な計算が違います。

工場全体の年間電力使用量から計算したCO2を、そのまま特定製品のCO2として提出することはできません。

製品別であれば、

どの工程を含めるのか。

材料を含めるのか。

輸送を含めるのか。

生産数量で配分するのか。

稼働時間で配分するのか。

売上など別の基準を使うのか。

といった条件を整理する必要があります。

本セットにも顧客配分を管理するシートはありますが、組織排出量を配分した値を自動的に「製品CFP」と呼ぶ仕組みにはしていません。

ここは実務上かなり重要です。

Scope3を聞かれたからといって自社Scope3全体を提出するとは限らない

もう一つ、初めて対応すると混乱しやすいのがScope3です。

顧客から、

「当社のScope3算定に必要なので排出量を教えてください」

と言われた場合、

相手が必要としているのは、必ずしも自社のScope3総量ではありません。

顧客から見れば、自社から購入している部品やサービスが、顧客側のScope3カテゴリ1などに関係する可能性があります。

そのため顧客が欲しい情報は、

自社のScope1・2。

対象製品の排出原単位。

対象取引へ合理的に配分した排出量。

製造までのライフサイクル排出量。

などの場合があります。

ここを混同すると、

「Scope3はいくらですか」

という質問に対し、まったく別の数字を提出してしまう可能性があります。

環境省・経済産業省の基本ガイドラインでも、サプライチェーン排出量の考え方やScope3のカテゴリ別算定方法が整理されています。

2026年3月には基本ガイドラインVer.2.8が公開されています。環境省

参照先:

環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム「排出量算定に関するガイドライン」

CO2排出量の回答で難しいのは計算式ではなく「範囲と根拠」




CO2排出量の基本的な計算は、意外と単純です。

例えば、

電気使用量 × 排出係数

燃料使用量 × 排出係数

といった形です。

しかし、実務で問題になるのは、その前後です。

どこから取った使用量なのか。

係数は何年度なのか。

その係数はその契約に使えるのか。

計算対象期間と一致しているのか。

その工場だけでよいのか。

別の倉庫や営業所が抜けていないか。

未確認の排出源はないか。

こうした情報がなければ、数字だけが独り歩きします。

活動量×排出係数だけでは回答書にならない

例えば電気4,000kWhに対して、仮に0.4kgCO2/kWhという係数を掛ければ、

4,000 × 0.4 ÷ 1,000

で1.6tCO2になります。

計算自体は難しくありません。

問題は、その0.4という係数です。

どこから取得したのか。

何年度の係数なのか。

対象となる電気契約と一致しているのか。

どの期間に適用できるのか。

誰が確認したのか。

こうした情報を後から説明できる必要があります。

そのため本セットのExcelでは、係数そのものだけではなく、

係数ID。

用途。

単位。

データ年度。

出典。

適用開始月。

適用終了月。

証拠ID。

確認状態。

などを管理できるようにしています。

未算定とゼロはまったく違う

今回のセットで特に重視したのが、

「未算定を0にしない」

ことです。

例えばScope3カテゴリ5の廃棄物について、まだ資料を集めていないとします。

これは、

「排出量0」

ではありません。

正しくは、

「未算定」

です。

一方、対象となる活動が存在しないことを確認し、根拠も残しているのであれば、「対象外」という判断になる場合があります。

さらに、活動自体は存在するものの、実際の活動量が0であることを根拠付きで確認できた場合には、計算結果が0になることもあります。

この3つは違います。

未算定。

対象外。

算定結果0。

Excelでは同じ「0」に見えてしまいがちですが、意味はまったく異なります。

本セットでは、必要な入力が不足している場合に結果を自動的に0へ置き換える設計にはしていません。

必要情報が不足している場合は計算結果を空欄とし、確認が必要な状態として扱います。

これは今回のセットの重要な設計思想です。

Scope3の一部算定を全体合計にしない

Scope3は15カテゴリあります。

環境省の解説でも、Scope3は15カテゴリに分類されています。環境省

環境省「Scope3排出量とは」

例えば、

カテゴリ1 購入した製品・サービス

カテゴリ4 輸送・配送(上流)

だけ計算できたとします。

合計が1.000tCO2eだったとしても、それを、

「当社のScope3は1.000tCO2eです」

と答えるのは適切とは限りません。

残り13カテゴリの対象判断が終わっていないからです。

本セットでは、その場合、

「Scope3 算定済データ小計」

として扱います。

同時に、

「Scope3対象判断未確認 13」

と確認できるようにしています。

数字を大きく見せる機能より、

「まだ確認できていないものが何件あるか分かる」

ことを重視しました。

▶取引先からCO2排出量を聞かれた会社へ|はじめてのScope1・2・3回答セット【Excel・Word・記入例17ファイル】

今回作った「はじめてのCO2・Scope3回答セット」とは

今回のセットは、CO2排出量を初めて回答する会社が、

「何から始めればよいのか分からない」

状態から進められることを目的に作っています。

全部で17ファイルあります。

単純なExcelテンプレート1本ではありません。

17ファイルで回答業務を一連で管理する

収録内容は大きく分けると、

ガイド。

Excel。

Word書式。

記入例。

練習用資料。

算定ロジック。

出典資料。

検証記録。

です。

主なファイルは次のとおりです。

ファイル内容
00_最初に読む.pdf最初に確認する内容とファイルの使い分け
01_初心者ガイド.pdfScope1・2・3、作業順、入力方法
02_CO2管理台帳.xlsx自社データを入力する16シートの管理台帳
03_顧客回答書.docx数値回答、未算定回答、配分補足
04_仕入先依頼と確認票.docx仕入先への依頼文、追加確認、採用確認
05_業種別記入例.pdf製造、商社・卸売、サービス、運輸・倉庫の例
06_記入例_CO2管理台帳.xlsx架空データ入りのExcel記入例
07_記入例_顧客回答書.docx顧客回答書の記入例
08_記入例_仕入先依頼と確認票.docx仕入先への依頼・確認例
09_初心者向け練習ガイド.pdf計算と入力変更の練習
10_提出前確認と回答練習.docx提出前チェックと改訂管理
11_算定ロジックと検証結果.pdf計算式、単位、エラー条件
12_出典と係数更新手順.pdf公式資料と係数更新方法
13_検証記録.txt制作時の検証内容
README.txt全体説明
利用条件.txt利用範囲
更新履歴.txt更新内容

ポイントは、

「読むだけの資料」

と、

「自社データを入れるファイル」

と、

「完成した記入例」

を分けたことです。

初めての人が空欄のExcelだけ渡されても、何を入れるのか分からないことが多いためです。

中心になるのは16シート構成のCO2管理台帳

中心になる「02_CO2管理台帳.xlsx」は16シート構成です。

回答サマリー。

月別集計。

拠点別集計。

基本設定。

拠点対象。

排出係数。

電気使用量。

燃料使用量。

その他排出。

Scope3対象。

Scope3活動。

証拠資料。

顧客回答履歴。

顧客配分。

提出前確認。

などを分けて管理します。

ここで重要なのは、単純に「電気使用量を入力するとCO2が出る」だけではないことです。

例えばScope3対象シートでは、15カテゴリについて、

対象。

対象外。

未確認。

といった判断を残せます。

その理由。

算定範囲の状態。

証拠ID。

次の対応。

も一緒に管理します。

つまり、

「数字のExcel」

というより、

「回答業務の管理台帳」

に近い作りです。

空欄版と架空の記入例を分けている

初心者向け資料で特に大事なのは記入例だと考えています。

そこで、自社入力用とは別に、

「06_記入例_CO2管理台帳.xlsx」

を収録しています。

架空企業SAMPLE。

架空拠点SITE-A。

架空顧客CUS-A。

架空仕入先SUP-A。

といったコードを使用しており、実在企業の取引情報は入れていません。

この記入例では、

電気。

燃料。

追加のScope1。

Scope2。

Scope3カテゴリ1。

Scope3カテゴリ4。

顧客への配分。

まで実際に数字が入っています。

例えば練習用のScope3では、

購入品100kg × 3kgCO2e/kg

という活動量方式。

仕入先から提供された500kgCO2e

という提供値方式。

物流1,000t・km × 0.2kgCO2e/t・km

という物流の活動量方式。

という異なる入力方法を確認できます。

もちろん、これらは計算練習用の架空係数です。

実務の係数として使うものではありません。

実際にどんな順番で使うのか

CO2回答は、順番を決めるとかなり整理しやすくなります。

本セットでは、大きく7段階で考えます。

1. 顧客から要求された範囲を確認する

最初に確認するのは、

対象期間。

Scope。

単位。

対象ガス。

対象拠点。

電気の算定方式。

会社全体か製品別か。

指定された提出書式。

です。

この段階で分からない項目があれば、依頼元へ確認します。

推測で進めないことが重要です。

2. 電気・燃料・証拠資料を集める

次に、手元にある一次資料を集めます。

電気であれば、

請求書。

検針票。

電力会社の明細。

社内計測データ。

などです。

燃料なら、

給油記録。

購入数量。

燃料使用量。

などです。

金額しか分からない場合と、L・kg・m3など使用量が分かる場合では算定方法が変わる可能性があります。

本セットでは、それぞれの資料に証拠IDを付けて管理できるようにしています。

後から、

「この4,000kWhはどの資料から入力したのか」

を追えるようにするためです。

3. 排出係数を登録する

活動量だけではCO2は計算できません。

排出係数が必要です。

2026年4月には環境省の排出原単位データベースVer.3.6が公開されています。環境省

環境省「排出原単位データベース」

ただし、

「最新版をダウンロードしたから終わり」

ではありません。

どのカテゴリに使う係数なのか。

対象年度はいつか。

地域はどこか。

単位は何か。

金額ベースなのか数量ベースなのか。

どこまでのライフサイクルを含む係数なのか。

を確認する必要があります。

本セットでは係数を上書きしてしまうのではなく、係数ID、年度、出典、適用期間などを残せるようにしています。

過去の回答を後から確認するためにも重要です。

4. Scope3の15カテゴリを確認する

Scope3で最初にやることは、いきなり15カテゴリ全部を精密計算することではありません。

まず、自社の事業活動にどのカテゴリが関係するかを確認します。

製造業なら、

購入材料。

設備。

委託物流。

廃棄物。

販売した製品の使用。

などが候補になります。

商社・卸売業なら、

仕入商品。

外部倉庫。

委託物流。

販売した商品の使用。

などが関係する可能性があります。

サービス業なら、

外部委託。

備品。

出張。

通勤。

リース資産。

などです。

重要なのは、

「当社はサービス業だからカテゴリ11は関係ない」

のように業種名だけで一律に決めないことです。

実際の活動を確認して判断します。

GHG ProtocolのScope3 Calculation Guidanceでも、Scope3は15カテゴリに分けられ、カテゴリごとに複数の算定方法が示されています。GHGプロトコル

GHG Protocol「Scope 3 Calculation Guidance」

5. 仕入先へ必要なデータを依頼する

Scope3では、自社だけでは数字を集められないことがあります。

そこで必要になるのが仕入先へのデータ依頼です。

しかし、

「CO2排出量を教えてください」

だけでは、回答する側も困ります。

対象品目。

数量。

期間。

必要なライフサイクル範囲。

単位。

対象ガス。

算定方法。

係数の出典。

配分方法。

輸送を含むか。

などを確認したほうが使いやすいデータになります。

本セットには、

F04 初回データ依頼メール。

F05 追加確認・再依頼メール。

F06 提供データ確認票。

F07 電気契約・係数確認依頼。

を用意しました。

仕入先から数字が返ってきた後に、

「この数字、何の数字だろう」

とならないための書式です。

6. 顧客回答書を作る

計算できたら顧客へ回答します。

本セットには、

F01 排出量と算定状況の回答。

F02 未算定または資料不足時の回答。

F03 顧客配分の補足。

があります。

特にF02を用意した理由は、

「まだ計算できていないから回答できない」

という状態を避けるためです。

例えばScope3が未算定なら、

「現在、対象範囲の確認と資料収集を進めています。未算定の範囲を排出量0として扱わず、確認できた内容と追加対応予定を回答します」

という形で状況を説明できます。

CO2回答は、

100%完成するまで何も回答できない、

とは限りません。

どこまで確認済みなのか。

何が未確認なのか。

次に何をするのか。

を分けて説明することが重要です。

7. 提出前確認と履歴管理を行う

最後に見落とされやすいのが、提出直前の確認です。

顧客要求と期間は合っているか。

対象拠点は合っているか。

全月確認したか。

係数の年度は確認したか。

電気の算定方式を混ぜていないか。

Scope3の未算定を0にしていないか。

社内承認を取ったか。

提出したファイルの版は何か。

こうした項目をF08提出前確認でチェックできます。

さらにF09では、

提出ファイル。

版。

承認記録。

実際の送付日時。

送付控え。

先方からの追加質問。

訂正理由。

改訂版。

まで記録できます。

最初の回答を作ることだけではなく、

「半年後に、その回答の根拠を追えるか」

まで考えて設計しています。

このセットで特に重視した5つの実務ポイント

未算定を0として処理しない

最も重要な考え方です。

資料がない。

確認していない。

対象判断が終わっていない。

これは0ではありません。

そのまま0にしてしまうと、算定できているように見えてしまいます。

本セットでは必要条件が不足している行を計算から外し、空欄として扱う考え方を採用しています。

指定・LB・MBを混ぜない

電気には算定ルールによって異なる考え方があります。

GHG ProtocolのScope 2 Guidanceでは、location-based methodとmarket-based methodが定められています。GHGプロトコル

GHG Protocol「Scope 2 Guidance」

本セットではLBとMBに加え、顧客や国内制度などで指定された方式を管理するための「指定」という区分を設けています。

ここで注意したいのは、「指定」がGHG Protocolの第三の正式方式という意味ではないことです。

依頼元などから指定された算定ルールを区別して管理するためのセット内の区分です。

また、同じ電力使用量について、

指定方式1.6t。

LB2.0t。

MB1.2t。

と出たとしても、

1.6+2.0+1.2=4.8t

とはしません。

別方式で算定した同じ活動を足し合わせないためです。

なお、GHG ProtocolではScope 2 Guidanceの改訂作業も進行しています。

2026年7月時点でもScope 2の将来ルールについて検討が続いているため、今後も公式情報の確認が必要です。GHGプロトコル

仕入先の全社排出量を製品排出量として扱わない

仕入先から、

「弊社のScope1・2は年間1,000tCO2eです」

と回答をもらったとします。

自社がその会社から一つの商品を購入しているからといって、

その1,000tを購入商品の排出量として使用することはできません。

対象商品のどこまでを含んでいるのか。

対象取引にどう配分したのか。

必要なライフサイクル範囲を満たしているのか。

を確認する必要があります。

本セットではこの確認を「仕入先依頼と確認票」に分けています。

数字を集めることより、

「その数字を何に使えるか確認する」

ことが重要だからです。

証拠IDと係数の版を残す

CO2算定では、後から係数が更新されることがあります。

そのとき古い係数を新しい値で上書きしてしまうと、

去年提出した数字がなぜその値だったのか分からなくなる可能性があります。

そのため、

係数ID。

データ年度。

出典。

適用期間。

証拠資料。

を残します。

過去の回答を再計算する場合も、

どの回答を。

なぜ修正したのか。

どの版へ変更したのか。

を残すほうが管理しやすくなります。

回答後も履歴を残す

取引先への環境回答は一回で終わらない場合があります。

「この数字には輸送も含まれていますか」

「使用した排出係数を教えてください」

「この製品だけに配分できますか」

と追加質問が来ることがあります。

そのため、

提出日。

回答ID。

提出ファイル。

承認記録。

先方からの質問。

訂正版。

を残せるようにしました。

CO2管理は「計算」だけではなく、「回答管理」でもあります。

2026年時点で確認しておきたい公式資料




本セットでは2026年10月2日時点で公開されている公式資料を確認して制作しています。

特に確認しておきたいのは次の資料です。

環境省・経済産業省の「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」は、2026年3月公開のVer.2.8が掲載されています。環境省

環境省「排出量算定に関するガイドライン」

また、環境省の排出原単位データベースは2026年4月公開のVer.3.6が掲載されています。環境省

環境省「排出原単位データベース」

Scope3の15カテゴリについては環境省の解説ページも確認できます。

環境省「Scope3排出量とは」

国際的な考え方を確認する場合は、GHG ProtocolのScope 2 GuidanceやScope 3 Calculation Guidanceも重要な資料です。GHGプロトコル

ただし、公式資料は更新されます。

「このセットに書いてあるから永遠に同じ係数でよい」

という使い方は想定していません。

実際に回答するときは、使用する年度、提出年度、地域、顧客の指定条件と合わせて最新版を確認してください。

このセットでできること、できないこと

このセットは、CO2排出量回答の入口から提出までを整理するための実務補助セットです。

できることは、

Scope1・2・3の基本的な整理。

電気・燃料の活動量管理。

排出係数管理。

月別・拠点別集計。

Scope3の15カテゴリ対象判断。

Scope3活動量方式の計算。

仕入先から提供された排出量の管理。

証拠資料管理。

顧客回答履歴管理。

顧客への配分記録。

提出前確認。

顧客回答書作成。

仕入先への依頼文作成。

などです。

一方で、できないこともあります。

このセットを購入しただけで、すべての会社のGHG排出量が自動的に完成するわけではありません。

冷媒。

燃焼に伴うCH4・N2O。

製造プロセス由来の排出。

購入熱。

特殊なScope3カテゴリ。

投資。

販売製品の使用段階。

などは、企業の活動に応じた個別の確認が必要です。

また、

製品カーボンフットプリント。

法定報告。

SSBJ。

CDP。

第三者保証。

第三者認証。

顧客独自の特別な算定条件。

への完全適合を保証するものではありません。

必要に応じて専門家や依頼元へ確認してください。

Excelの検証について

Excelについては、制作時に計算式と入力条件の検証も行いました。

空欄と0。

負数。

単位違い。

係数未確認。

適用期間外。

ID重複。

証拠ID未登録。

Scope3での活動量方式と提供値方式の二重入力。

顧客配分の分母0。

などを変更し、期待する警告や計算結果になるかを確認しています。

空欄版と記入例版はいずれも16シートです。

マクロ、外部データ接続、外部ブック参照は使用していません。

別の表計算環境でも再計算し、完成時点では数式エラー0件を確認しています。

ただし、制作時の検証記録にも明記しているとおり、Microsoft Excelデスクトップ版での実機テストは実施していません。

ここは隠さず明記しておきます。

自社で使用するときは、自社のExcel環境で代表計算と表示を確認してから実務に使用してください。

1冊の集計期間は12か月以内を想定しています。

個人情報や実在企業の取引データは入れていません




今回のセットを作るときに、もう一つ気を付けたのがデータです。

記入例には、

実在企業の顧客名。

担当者名。

住所。

電話番号。

メールアドレス。

実在する取引価格。

実在する企業の排出量。

などを入れていません。

記入例では、

SAMPLE。

SITE-A。

CUS-A。

SUP-A。

などの架空コードを使用しています。

また、練習用の排出係数も実務へ転用しない前提で作っています。

空欄の自社入力用と記入例を明確に分けているため、練習データをそのまま顧客へ提出しないようにしてください。

どんな会社に向いているのか

特に向いているのは、

これまでCO2排出量を回答したことがない会社です。

例えば、

従業員数数十人から数百人程度の製造会社。

部品メーカー。

加工会社。

商社。

卸売会社。

物流・倉庫会社。

サービス会社。

などで、

「大手取引先から初めてCO2について聞かれた」

というケースです。

逆に、

すでに専門のサステナビリティ部門があり、

Scope1・2・3を毎年算定し、

第三者保証も受け、

製品CFPも専用システムで管理している会社であれば、このセットは基本的すぎる可能性があります。

今回想定しているのは、

専門部署がなく、

総務。

品質。

営業。

調達。

経営者。

の誰かが突然担当することになった会社です。

私がこのセットで重視したのも、専門家向けの難しい算定モデルではありません。

「初めて担当した人が、次に何をすればよいか分かること」

です。

よくある質問 FAQ




Q1. Scope1、Scope2、Scope3を全部計算しないと回答できませんか?

相手が何を要求しているかによります。

まず依頼元へ対象範囲を確認してください。

また、すべてが未完成でも、算定済み範囲と未算定範囲を明確に分けて回答できる場合があります。

未確認部分を0にして完成したように見せることは避けます。

Q2. Scope3の15カテゴリを全部計算するセットですか?

15カテゴリの対象判断を整理できます。

ただし、すべてのカテゴリ固有の高度な計算モデルを自動作成するものではありません。

活動量×係数による計算や、確認済みの提供値を入力して整理する構成です。

Q3. 電気料金しか分かりません。計算できますか?

まずkWhなどの使用量が確認できる資料を探すことをおすすめします。

金額だけでは電力使用量が確定できない場合があります。

契約明細、請求書、検針情報などを確認してください。

Q4. Scope3がまだ分からない場合、0と書いてよいですか?

未確認なら0とは限りません。

未算定、対象外、算定結果0を区別してください。

本セットには未算定時の回答書も収録しています。

Q5. 仕入先から会社全体のCO2排出量をもらえば、購入品のScope3に使えますか?

そのまま使用できるとは限りません。

対象購入品へ対応しているのか。

どのライフサイクル範囲を含むのか。

どのように配分されたのか。

などを確認する必要があります。

Q6. Scope2のLBとMBとは何ですか?

GHG Protocol Scope 2 Guidanceで使われているlocation-basedとmarket-basedの考え方です。GHGプロトコル

本セットでは両方式を別々に管理できます。

同じ電力使用量をLBとMBで計算した場合、その2つを単純に合計しません。

Q7. 環境省の排出係数はセットに全部入っていますか?

公式データベースそのものを再配布する商品ではありません。

最新版や利用条件を公式サイトで確認し、自社で使用する係数を登録する形です。

一部の燃料については出典確認用の参考情報がありますが、実際の回答時には対象年度や算定条件を確認してください。

Q8. 製品1個あたりのCO2も計算できますか?

組織排出量の配分を記録する仕組みはあります。

ただし、その値だけで正式な製品カーボンフットプリントが完成するわけではありません。

製品CFPには、対象となるライフサイクル範囲や配分方法など、別途確認すべき条件があります。

Q9. Excelだけ使えばよいですか?

Excelだけでも数値管理はできますが、このセットではWord回答書や仕入先確認票も一緒に使うことを想定しています。

CO2回答では、数字と同じくらい、

根拠。

算定範囲。

未算定範囲。

承認。

提出履歴。

を残すことが重要だからです。

Q10. CO2についてまったく知識がなくても使えますか?

そのために初心者ガイド、業種別記入例、架空データ入りExcel、練習ガイドを分けて収録しています。

最初は記入例を見ながら、

電気。

燃料。

Scope1。

Scope2。

Scope3。

の順に確認すると理解しやすくなります。

▶取引先からCO2排出量を聞かれた会社へ|はじめてのScope1・2・3回答セット【Excel・Word・記入例17ファイル】

まとめ

取引先からCO2排出量を求められたとき、

「専門知識がないから回答できない」

と考えてしまう会社は少なくないと思います。

しかし、最初から完璧なScope3算定を作る必要があるとは限りません。

まず確認するのは、

何を求められているのか。

どの期間なのか。

どのScopeなのか。

会社全体なのか製品別なのか。

です。

次に、

電気。

燃料。

その他の排出源。

Scope3の対象カテゴリ。

を確認します。

そして、

計算できた部分。

まだ未確認の部分。

対象外と判断した部分。

を分けます。

最も避けたいのは、

分からない部分を0で埋めて、完成した数字のように回答してしまうことです。

今回作った「はじめてのCO2・Scope3回答セット」は、

CO2の数字を計算するためだけのExcelではありません。

要求条件を確認する。

原票を集める。

係数を記録する。

Scope3を確認する。

仕入先へ問い合わせる。

顧客へ回答する。

提出前に確認する。

回答履歴を残す。

ここまでを一つの業務として整理するためのセットです。

CO2回答を初めて担当する会社にとって、

「何から手を付ければよいか分からない」

という状態を抜けるための土台として使えるように作りました。

まずは顧客から届いた依頼書を見ながら、

対象期間。

対象Scope。

対象拠点。

対象ガス。

提出期限。

の5つを確認するところから始めてください。

それだけでも、CO2回答の作業はかなり整理しやすくなります。

▶取引先からCO2排出量を聞かれた会社へ|はじめてのScope1・2・3回答セット【Excel・Word・記入例17ファイル】

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